5月売上高、87.4%の企業が前年割れ――小売り・飲食・宿泊に逆風強烈東京商工リサーチ調査(1/2 ページ)

» 2020年06月17日 14時40分 公開
[ITmedia]

 新型コロナウイルスの企業業績への影響が拡大している。東京商工リサーチの調査によると、5月の売上高が前年同月より落ち込んだ企業は全体の87.4%に上り、2月以降で最多となった。感染対策で国が主導している「新しい生活様式」についても、多くの企業が業績へのマイナスの影響を見込んでおり、全体的にコロナ禍からの回復は厳しい情勢のようだ。

photo 新型コロナの経済への影響はまだまだ深刻だ(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

飲食・宿泊などは全企業が「コロナで既に影響」

 調査は東京商工リサーチが5月28日〜6月9日に全国の約1万8000社にネット上で実施した。コロナ禍を受けた本調査は2月以降、今回で5回目。

 まず「新型コロナの発生が企業活動に影響を及ぼしているか」と聞いたところ、企業の78.7%が「既に影響が出ている」と回答、過去最多となった。

photo 新型コロナウイルスの発生は自社の活動に影響を及ぼしているか(東京商工リサーチ「第5回 新型コロナウイルスに関するアンケート調査」)

 「既に影響が出ている」企業の比率を産業別にみると、「小売業」の85.3%(全970社中828社)が最多に。宿泊業や旅行業、飲食業が含まれる「サービス業他」も、83.8%と高い比率を示した。いずれも、インバウンド需要の急減に加え外出自粛・休業要請の影響を強く受けた。

photo 産業別に見た「新型コロナウイルスの発生は自社の活動に影響を及ぼしているか」(東京商工リサーチ「第5回 新型コロナウイルスに関するアンケート調査」)

 さらに細かい業種別でみても、やはり「飲食店」「宿泊業」「道路旅客運送業」では、「既に影響が出ている」企業の比率が100%に上っている。

photo 新型コロナで「既に自社の活動に影響が出ている」と回答した上位業種(東京商工リサーチ「第5回 新型コロナウイルスに関するアンケート調査」)
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