日本を変える「テレワーク」
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» 2020年07月28日 07時00分 公開

賃料は2倍に:コロナの渦中でオフィスを拡大移転 新卒1万7000人が殺到する中小企業社長の考え (1/3)

コロナの渦中で、あえて今よりも大きなオフィスに移転する決断をした筆者。新しいオフィスに「本当に今、必要な機能」を持たせれば、業績だけでなく、人材採用でも大きな成果を上げられるからという。

[近藤悦康,ITmedia]

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、働き方は大きく変わりました。リモートワークが一部の企業では定着し、働き方を選べる時代に変わりつつあります。それに伴ってオフィスへの見方にも変化が見られます。日本国内で約8万人の社員を抱える富士通は、2023年3月末までにオフィスの敷地面積を半減させると発表しました。確かにただ事務作業をこなす場所としてのオフィスはもはや必要ないのかもしれません。

photo Legaseedの移転前のオフィス

 筆者が代表を務めるLegaseedはコロナ禍の真っ只中の4月末に、あえて今よりも大きなオフィスに移転する決断をしました。賃料も2倍に跳ね上がります。その理由は、新しいオフィスに「本当に今、必要な機能」を持たせれば、業績だけでなく、私たちが大切にしている人材採用でも大きな成果を上げられるという確信を持っているからです。

 つまり「オフィスがいらない」とすらいわれている新時代のオフィスは「安心安全でかつ、より生産性が高まる仕掛けのあるオフィス」である必要があります。オフィスが価値のある空間であり続けるためにはどのような機能が求められるのでしょうか。

筆者:近藤悦康(株式会社Legaseed代表)

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 “日本一学生を集める”新卒採用のプロ。大学院に進学と同時に、人材教育会社に入社。営業部に配属される中、新しい新卒採用人事の仕組みを作り出し、1年間で2万人以上が応募する企業に発展させた。その後独立し、人材採用と人材育成のコンサルタントを経て、2013年11月、株式会社Legaseedを設立。人材採用コンサルティング、 社員教育・組織活性コンサルティング、学生向けキャリア教育事業などを手掛ける。創業6年で応募者1万7000人企業に成長した。

 同社のユニークな人材採用コンサルティングの手法と採用活動が話題となり、テレビや雑誌をはじめ多数のメディアに採用の様子が取り上げられ、注目の経営者となる。昨年の「楽天みん就」による、2021年卒学生のインターンシップ人気企業ランキングにて、大手企業を抑え10位にランクイン。

 主な著書に「はたらくを、しあわせに」「伸びてる会社がやっている「新卒」を「即戦力化」する方法」(共に、クロスメディア・パブリッシング)、「内定辞退ゼロ」(実業之日本社)などがある。


安心に働けるオフィスづくり

 まず、これからのオフィスに求められるのは安全性です。安全性といってもただ感染防止に配慮されているだけでは足りません。リモートワークが普及した今、セキュリティも今までより少し低下してしまっています。感染防止とセキュリティの両面からオフィスの安全性を考える必要があります。

 もはやこれはどこの会社も当たり前にしなければならない機能ですが、当社もアルコール消毒や非接触の検温器などは導入しています。窓を開けて換気をしたり、お客さまに出すお飲み物もペットボトルで用意したりするなど、可能な限りの感染防止に努めています。

photo Legaseedの移転前のオフィス

 しかし、オフィスにはまだまだたくさんの危険が残っていました。指紋認証や暗証番号入力式のセキュリティツールは、社内でもかなり多くの人が触れるため感染拡大の温床になります。そのため、次のオフィスではセキュリティ対策として顔認証システムを導入し、その際にサーモグラフィで体温まで測ることができる仕組みも考えています。

 同様に不特定多数が触ることの多かった会社の代表電話も、その日の当番社員のケータイへ直通にしました。新オフィスに社員の個室ロッカーを整備するのも同じ理由です。これまでは社員数が少なかったこともあり、複数人で戸棚を共有していました。しかし、これから大切なのは、ソーシャルディスタンスを維持することを前提としてオフィスを考えることになります。

完全リモートワークに潜むデメリット

 安心安全な環境を整えただけでは、感染リスクが上がるのに出勤時間を割いてまで、オフィスに来る必要はありません。本当に大切なのはオフィスに来ると生産性が上がる仕掛けが、内部に施されていることです。

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