以前は全体的に人手不足の傾向にあった企業の採用状況が、新型コロナウイルスによる業績悪化で大きく「買い手市場化」している。帝国データバンクの調査によると、7月時点で正社員の人手不足を感じている企業は約3割で、前年同月より大きく減少した。逆に人手が過剰と回答する企業の割合は急増しており、特にインバウンド需要などの激減が響いた観光系の業種で影響が大きいようだ。
調査は同社が7月16日〜31日にかけて、全国の約1万1000社に実施した。2006年より実施している。
まず、「正社員が不足している」と回答した企業は30.4%となり、前年同月より18.1ポイントも減少した。帝国デーバンクによると、コロナ禍による打撃がより深刻になってきた4月に「正社員不足」企業は約3割に急減し、低い水準で推移している。逆に、「過剰」と感じる企業は7月時点で22.9%と、前年同月より10ポイント以上増加した。
非正社員についても、「不足している」企業は7月で16.6%と前年より急減、逆に「過剰」の方は21.2%と急増している。やはり、コロナ禍を受けた業績悪化で人手の過剰感が続いている。
業種別に見た正社員における「人手不足企業」の割合が最も高かったのは「建設」で、51.9%となった。ただ、こちらも前年同月より15.6ポイント減。人手不足の会社の割合が高めな業種でも、多くが前年より下がっていた。
一方で、「教育サービス」(48%)と、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」(42.9%)は、前年より比率が増加する結果となった。
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