大日本印刷(DNP)は8月24日、番組内容などをAI(人工知能)で自動解析し、内容や発話者の感情に合わせた最適な字幕を表示できるシステムを開発したと発表した。放送技術などを開発するNHKテクノロジーズ(東京都渋谷区)との共同でプロトタイプを開発した。耳の不自由な人に対して臨場感を伝えられるほか、音が出せない環境でも発話者の感情の違いを伝えることが可能だという。
テレビの字幕放送について、聴覚に障害のある人から「フォントに抑揚がない」や「発話者が分かりにくい」などの要望が寄せられていた。また、テレビの映像効果として使われる、ユニークなフォントを用いたテロップは印象深くなる。という意見があったという。
こういった意見を踏まえ、今回開発されたシステムは、番組の音声をAIで解析。内容や発話者の表情から感情を把握し、表現に最適なフォントを12種類から自動で選んで使用するという。また、発話者を特定し、その口元近くに字幕を表示することができるのだとか。こうした工夫で感情を直感的に伝えることが可能となった。
広報担当者によると、現在はプロトタイプの段階だが、今後は実用化に向け開発を進め、生放送や、インターネットの同時配信での活用を目指す。また、デジタルサイネージへの応用や、SNSでの活用も見込まれることから、作業に慣れていない人でも利用できる映像編集用ソフトウェアとして展開したいとしている。
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