「ドコモ口座」不正出金、全額補償へ ドコモ丸山副社長「本人確認が不十分だった」被害総額は約1800万円

» 2020年09月10日 16時50分 公開
[秋山未里ITmedia]

 全国の地方銀行などで決済サービス「ドコモ口座」を使った不正出金の被害が相次いでいる問題で、NTTドコモは9月10日、被害の全額を補償する方針を発表した。同社によると、被害に遭った口座数は66件、被害総額は約1800万円(10日午後時点)。被害者には、銀行と連携して全額保証の手続きを案内する予定だ。ドコモの丸山誠治副社長は「(利用者の)本人確認が不十分だったと認識している」と謝罪した。

photo ドコモの丸山誠治副社長

 ドコモ口座は、銀行口座などから入金すると、ネットショッピングの支払いやユーザー間で送金ができるサービス。登録した銀行口座からは、ドコモ口座アカウントへの入出金もできる。

 七十七銀行(宮城県仙台市)は7日、ドコモ口座を悪用した不正入金が発生したとして、ドコモ口座への新規登録を当面停止すると発表。ドコモによると、何者かが銀行口座番号やキャッシュカードの暗証番号などを不正に入手し、ドコモ口座へと預金を不正に引き出す──という事件が発覚した。

 七十七銀行に続き、中国銀行(岡山県岡山市)、大垣共立銀行(岐阜県大垣市)、東邦銀行(福島県福島市)も8日、同様の理由で新規登録を停止すると発表。9日までに、ゆうちょ銀行など、全18行が停止した。

 こうした事態を受けドコモは10日、連携している全35行の銀行口座の新規登録を停止。預金引き出し時に必要な本人確認の仕組みを厳格化するなど、対策を講じるとした。再開時期は検討中という。

photo 不正出金の流れ=ドコモ提供

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