コロナ禍で沈むアパレル、それでも確実に求められる人材とは?求人動向から分析(1/2 ページ)

» 2020年10月07日 16時00分 公開
[服部良祐ITmedia]

 コロナ禍の影響を大きく受けた業界の1つがアパレル・ファッションだ。帝国データバンクが、月次売上高を公開しているアパレルの上場企業24社の8月売り上げについて調査したところ、約8割に当たる19社が前年同月を下回った。5月には既にレナウンが子会社を通じ民事再生法の適用を申請している。

photo コロナ禍で打撃を受けたアパレル業界求人(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

特に販売職・パタンナーに打撃

 女性を中心に就職先としても人気だったアパレル業界だが、やはりコロナ禍による業績不振で求人数は急減傾向にある。長期化が予想される買い手市場の中で、それでも求められる人材とは。人材系大手のパーソルキャリア(東京・千代田)が運営するアパレル・ファッション業界専門転職サービス「クリーデンス」責任者の河崎達哉さんに聞いた。

 まず、約3000社が常時のべ2500件以上の求人を出している同サービスのデータを分析した。6月〜8月のアパレル・ファッション業界の求人数は前年同期比で25%減少していた。特に業界の性質上、契約社員で影響が大きく44.8%も減っていた。

photo アパレル・ファッション業界の求人数推移(2019年6月〜8月時を100に設定。クリーデンス調査)

 中でも大きく減少している職種の1つがパタンナー(デザイナーの作ったデザイン画から型紙を作成する仕事)で前年同期比58.7%減。河崎さんは「業績が落ち込み、自社採用を停止し海外工場に外注する企業が増加した」と分析する。

photo パタンナーの求人数推移(2019年6月〜8月時を100に設定。クリーデンス調査)

 他にも求人数減が顕著なのが「店長・販売」で、やはり前年同期比で38.2%減となった。アパレル業界の花とも言える店舗の販売職だが、コロナ禍での店舗休業や客足の鈍化による新規出店減が大きく響いた。

photo 店長・販売職の求人数推移(2019年6月〜8月時を100に設定。クリーデンス調査)
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