アフター・コロナの中国はいまKAMIYAMA Reports(1/3 ページ)

» 2020年12月07日 17時57分 公開
[神山直樹日興アセットマネジメント]
日興アセットマネジメント

生産の回復に続き消費も回復の兆し

 中国は、コロナ禍の影響から経済が大幅に落ち込んだものの、感染拡大の初期段階で行動制限等の措置を素早くとったことにより、現状、生産など経済活動は他国に先駆けて正常化しつつある。

中国の主要経済指標の推移

 製造業PMI(購買担当者のセンチメントを示す指数)は、コロナ・ショックで一時35.7まで落ち込んだが、すぐに回復して好不況の境⽬である50を超えて改善している。しかも、生産が過去の水準に回復したばかりでなく、例えばマスクや医療関連商品については急激に生産能力を増強したようで、将来の過剰生産への懸念が出ているほどだ。

 一方、消費は飲食などサービス業の回復が遅れたことや、都心部への地方からの出稼ぎ労働者が動きにくかったことなどから、回復は遅れていた。しかし、製造業の回復や国内移動が再開したことなどから、失業率の低下や可処分所得の回復などがみられ、自動車販売が回復し、映画館では定員規制が徐々に緩和され、飲食店でも客足が戻っていることなどから、財だけではなくサービス業を含む消費の回復が明確になり始めている。

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