ビジネスを止めない――損保ジャパンは、7万人超のコミュニケーションを「リモート」でどう活性化したのかテレビ会議は「意外と悪くない」

テレワークの普及で新たに生まれた課題の一つが「コミュニケーション」だ。事業を継続実行しつつ、コミュニケーションを活性化し、これまで以上にビジネスを飛躍させるカギはどこにあるのか。Cisco Webex Meetingsを導入し、コロナ禍でリモートでのコミュニケーションを広げた損保ジャパンの事例を紹介する。

» 2020年12月23日 10時00分 公開
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The First Penguin

 コロナ禍によりテレワークが普及したことで、課題の一つに挙がっているのがコミュニケーションだ。これまで毎日オフィスで顔を合わせていたメンバーが在宅勤務へ移行することにより、おのおのの姿が見えない中で業務を進行していかなければならなくなった。

 しかし、直接会うことができなくなったからといって、ビジネスを止めることは許されない。未知の状況に直面しながらも事業を継続しつつ、コミュニケーションを活発化させていくにはどうすればよいのだろうか。そこで、今回はシスコシステムズのソリューションを活用し、コミュニケーションのありようをアップデートしながらコロナ禍を乗り越えようとしている損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)の事例を紹介する。

7万人超のネットワーク、コミュニケーションは重要な要素

 損保ジャパンは、SOMPOホールディングスの中核を担う会社で、自動車やバイク、火災保険、傷害保険など多種多様な保険商品を抱える。全国の拠点数は600超、従業員数も2万5000人超とまさに日本を代表する大企業だが、国内各地のビジネスパートナーである販売代理店の数も多い。代理店も含めると、同社は7万人超のネットワークを抱える。日々業務をこなしていく中で、コミュニケーションは欠かすことのできない重要な要素だ。

 そのコミュニケーションの円滑化のために、損保ジャパンはシスコシステムズのソリューション「Cisco Webex Meetings」を採用している。もともとシスコシステムズのテレビ会議用端末を導入していた同社だが、オフィスのインフラ改革やコロナ禍の影響を受け、現在では日常的な社内の打ち合わせや代理店とのミーティング用に、シスコシステムズのテレビ会議用端末のRoom55(MX200)を600台、そして社員1人ずつにCisco Webex MeetingsのアカウントIDを付与している。

圧倒的な操作性と品質が選定のポイント

 同社がCisco Webex Meetingsを導入し始めたきっかけは、何だったのだろうか。

IT企画部 企画グループ グループリーダーの遠山岳志氏。奥のスクリーンは、シスコシステムズのテレビ会議用端末。同社ではシスコシステムズのデバイスも合わせて活用している

 同社の遠山岳志氏は、「もともと他社のテレビ会議端末は導入していましたが、なかなか使われずにいました。これまでIT製品を導入するときは、使い勝手よりもコストの点が重視されがちだったのもその理由かもしれません。

 しかし、IT化やDXの重要性が高まる中、経営陣が率先して『安かろう悪かろう』ではなく、ある程度のコストを見込んだ上で、ITリテラシーがそこまで高くなくても簡単に操作できるよう、操作性や品質が高いソリューションを選定する機運が高まり、圧倒的な操作性と品質を持つシスコ様の端末を導入することになったのです」と振り返る。

 その後、さらに高まるIT化やDXの機運を受けて2019年度の下期にオフィスのインフラ改革を実施することに。「もともとテレビ会議用の端末はありましたが、今度は社員が持つあらゆる端末がつながる仕組みを構築したいと考えました。そんな折、シスコ様からご提案をいただき、大幅にシステムを刷新することになりました」と同社の利根川稔氏は話す。クラウド方式のため、構築の難易度が高くなかったのもポイントだったという。

 Cisco Webex Meetingsを導入後、当初は社内で活用を進めた。すると、すぐに導入効果が表れた。例えば、従来は全国の社員を本社へ集めて行っていたような研修が、場所を選ばず、そして頻度も上げて開催できるようになった。加えて、社外業務用のシンクライアント端末や社用携帯電話上でも打ち合わせができるようになり、働き方の柔軟性も高まった。コミュニケーションが活発化されるだけでなく、研修や打ち合わせがあるごとに定期的にツールに触れることで、社員のITリテラシー向上にも大きく寄与したという。

コロナ禍でも営業を継続 テレビ会議は「意外と悪くない」

IT企画部 計画推進グループ リーダーの利根川稔氏

 「もちろん、対面のコミュニケーションが一番いいということは理解しています。それでも、使ってみると大きな不具合もなく、無駄な時間を削減できたことで『テレビ会議も意外と悪くない』という認識が広がっていったと思います」と利根川氏は評価する。

 その後、今度は社内だけでなく全国各地の代理店との打ち合わせにもテレビ会議を使うことを検討し始めるようになった。

 「もともと、代理店様との打ち合わせは足を運んで対面で行っていたのがほとんどでした」(利根川氏)。導入に当たっては、対面で行っていたものをテレビ会議へ移行することで、代理店の印象を悪くするという恐れもあったと振り返る。

 そんな中、新型コロナウイルスの感染が全国的に拡大。多くの企業が対応に苦慮する中、以前からテレビ会議の体制を整えていたことが功を奏して代理店とのミーティングをスムーズにオンライン化することができた。

 急に社外との打ち合わせへCisco Webex Meetingsを導入したことで、問題は生じなかったのだろうか。利根川氏は「対面が主流の業界ですので、当初は抵抗感をお持ちのお客さまもいらっしゃったかと思います。ただ、コロナ禍で使わざるを得ないという環境の中、やってみるとこちらも意外と悪くない、問題なく進められる、という認識が広がっていったように感じています」と話す。

業務改革推進部 企画グループ 主任の佐藤未緒氏

 同社の佐藤未緒氏は、「これまで担当者は、代理店様のエリアに訪問もしくは出張して直接説明・ヒアリングしており、交通費や資料の印刷コストなどがかかっていました。もちろん、電話やメール、アンケートで説明やヒアリングするということもありましたが、やはり対面でないと表面的な答えしか聞き取りできないこともあります。それが、Cisco Webex Meetingsによってバラバラのエリアでも1日でヒアリングできるようになり、現場の負担は大きく軽減できていると思います」と話す。

在宅勤務中の「雑談スペース」としても活用

 コロナ禍の中で、同社もテレワークを拡大した。在宅勤務を強いられることにより、同僚との雑談などのコミュニケーションが減り、社員のエンゲージメントが下がるということもテレワークの課題として挙がることが多いが、Cisco Webex Meetingsを活用することでコミュニケーションを活発化できている。

 例えば、Cisco Webex Meetings上でランチ会を開いたり、打ち合わせの15分前からミーティング用URLを開放したりするなどの工夫が挙げられた。また、ユニークな使い方としては、マイクやビデオをオフにした状態で常にCisco Webex Meetingsへ接続しておき、質問などがある際にマイクをオンにして会話をするなど、疑似的なオフィスのように活用しているケースもあるという。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進や、人材採用にも好影響

 同社では、「Diversity for Growth」を重要な経営戦略の一つと位置付け、ダイバーシティ&インクルージョンの実現にも力を入れている。同社人事部ダイバーシティ推進グループでは、社員一人ひとりの多様性を認め、生かし合える職場づくりの一環として、集合型の研修や交流会を実施していた。

人事部 ダイバーシティ推進グループの桑原美怜氏

 しかし、新型コロナの感染が広がったことで、集合型のイベント実施が困難に。こうしたシチュエーションでもCisco Webex Meetingsの活用が進んでいる。ダイバーシティ推進などを担当する桑原美怜氏は「コロナ禍で集合研修が実施できなくなる中、動画研修へシフトすることも考えました。ただ、動画では双方向のコミュニケーションが取れません。一方、Cisco Webex Meetingsで研修や交流会を実施することで、参加者同士のやりとりなど、双方向的で質の高いコミュニケーションが実現できています」と話す。

経営層の関与がカギ コミュニケーション起点の「行動変革」も生まれた

 社内外を問わず、コロナ禍の中でもCisco Webex Meetingsを活用することによってコミュニケーションを活発化・アップデートできている損保ジャパン。同社のような大企業では、新たなシステムを取り入れたり、DXを進めたりすることがなかなか進まないようなケースも見聞きするが、カギはどこにあるのだろうか。

 遠山氏は、「大企業ということでいうと、DXに必要なのは、経営層の関与や危機感ではないでしょうか。ボトムアップも重要ですが、ことこうした領域に関しては、経営層の持つ役割が大きいと考えています」と話す。

 今後について、利根川氏は「Cisco Webex Meetingsを導入したことで、対面の価値がより分かるようになりました。また、本当に対面でやるべきことと、やらなくていいものの簡素化が進んでいます。浮いた時間でより生産性の高い業務にあたるなど、コミュニケーション起点での行動変革が生まれ始めており、より変革が進むことを期待しています」と話す。

オンラインコミュニケーションのよさは「頻度」 回数を重ねれば質も補える

 遠山氏は、「正直、いまはオンラインより対面の方が優れていると考える人も多いと思います」とした上で、「オンラインの強みは頻度を高められることです。いくら対面の方が優れているとはいえ、高頻度にオンラインでコミュニケーションをとれれば、質を補うこともできるはずです。加えて、今は意識的にオフラインとオンラインが使い分けられていますが、今後は技術の進化によってどんどんとシームレスになってくるのではないでしょうか。そうなれば、オンラインの効率性や生産性の高さはより注目されるはずです。そうした時代に向けて、シスコ様とともにわれわれも競争力を高めていきたいと考えています」と締めくくった。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年1月6日