ウィズコロナの時代に経営者が身につけるべき3つのビジネススキル難局への適応力(1/2 ページ)

» 2021年01月16日 11時05分 公開
GLOBIS知見録

 「コロナの前は安定してた?コロナ禍じゃなかったときは、居心地がよかった?」

 絵本作家の五味太郎さんからの問いかけです。

 すでにVUCA(ブーカ。Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字から取った言葉)の時代といわれて久しく、世の中は変化し続け、予測は困難になる一方。そもそも個人の人生というレベルでは、太古の昔から計画通りに生きることでさえ困難で、その困難さが増している世界、というのが実態ではないかと思います。

phot 不確実な時代を生き残るために必要な知恵とは?(以下、記載ない場合は写真提供:ゲッティイメージズ)

 今回は、それが新型コロナ感染症というかたちで世界的なレベルで顕在化しています。従来、変化が加速化する時代に必要だといわれてきたスキルは、大きくはコロナを経ても同じだと考えられるでしょう。究極、進化論で論じられているように、変化に対応する者が生き残るのです。

 では、今回のコロナが、全部ではないにしても部分的には不可逆的な変化を生んでいるということを前提としたとき、具体的にどのようなスキルをもって適応していけばよいのでしょうか。大きく3つのスキルを挙げたいと思います。

 1つは、情報をもとに動く力。フェイクニュースにだまされるな、情報ソースに当たり一次情報を集めよ、とはよく言われている通りですが、素早く広く、正確な情報を収集して、少し先を見通すことです。遠い未来を見通すのは相変わらず難しいとはいえ、今回、例えば海外で何が起きているのか、人々はどう対応し、何に成功・失敗しつつあるのか、科学的にはどこまで分かっていて、何は未知か、それらを知ることによって、さほど遠くない未来のために自分の備えるべきこと、攻めるべきことが自ずと明らかになることが多くあったのではないでしょうか。

 そして、単なる正確な情報収集力にとどまらず、急激な変化に対応するために小さな意思決定を積み重ね、動き、試行錯誤することが、生き残っていくことにつながります。

phot 情報の真偽を見極める力が求められる
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