2つ目は、切り替える力。オンラインが急激に増えました。在宅も増えました。一方でこの難局を乗り切るために最前線で働く方は働き詰めです。プライベートと仕事、遊びと学習、自分と他者との境目があいまいになっています。そこからストレスにつぶされそうになったり、結果的に時間を浪費してしまうこともあるでしょう。意思をもって切り替える、集中する、あるいはそうできる環境を自分で作っていく力が必要になってくると思います。
最後に3つ目は、想像する力。他者の立場や気持ちを知る場面と余裕が制限されています。外出や集会は、いずれ物理的には可能になるでしょうが、ここで生まれた恐怖と自衛本能が分断を助長する危険性が叫ばれています。社会が変化に適応していくために多様性が貢献することはもはや自明であったはずです。今まで経験のない環境下で、自分はどのような人たちに、どのような貢献ができるのか――そこを想像する力があるかないかはビジネスの成否を直接的に左右するでしょう。
今は難局にありますが、物理的には難しくとも意図的につながり、情報を交換し、想像し、動き、力を合わせて乗り切りたいものです。
河村 有希絵
グロービス経営大学院 教員。東京大学法学部卒業、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了。大学卒業後、ボストンコンサルティンググループにて17年間、様々なマネジメントコンサルティング業務に携わる。この間、内閣官房国際広報室に国際広報戦略アドバイザーとして出向、風評被害対策などを担当。その後、株式会社チェンジウェーブに共同代表として参画し、企業の変革サポートと変革リーダーの育成に取り組む。2015年 株式会社コギト・エデュケーション・アンド・マネジメント設立、マネジメントコンサルティング及び教育事業に従事。2017年より、三菱鉛筆株式会社 顧問を務める。写真はグロービス経営大学院提供
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