公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2020年10〜12月の運用結果を公開した。それによると、3カ月間での運用収益は10兆3528億円の黒字だった。期間収益率は+6.29%となっている。コロナ禍の中金融緩和が進み株高が進行、為替も円安に振れたことが影響した。運用を開始した2001年からの累計収益は、85兆3011億円となっている。
コロナ禍による17兆円あまりの赤字をすでに取り戻し、10兆円あまりが上乗せされた(GPIF)
黒字額10兆3528億円のうち、利子・配当収入は8359億円。9.5兆円あまりを株価値上がりなどのキャピタルゲインで獲得した。
運用資産額は177兆7030億円。国内債券、国内株式、外国債券、外国株式をそれぞれ4分の1ずつ保有するポートフォリオを基本としており、比率が変動した場合はリバランスを行う。GPIFは明らかにしていないが、株価の上昇により11月には内外の株式を一部売却したと見られる。
GPIFの保有資産の比率(GPIF)
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