旅行社はキャンセル予想にうんざり 飲食店は悲鳴 沖縄にまん延防止措置適用恩恵を受けられない

» 2021年04月10日 14時10分 公開
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 新型コロナウイルス感染増加に歯止めがかからず、沖縄県は8日、飲食店にさらなる時短営業を求める「まん延防止等重点措置」の適用を政府へ伝えた。経営者からは「このままでは持たない」と悲鳴が上がり、5月の大型連休(GW)への影響を心配する観光業関係者は「飲食だけでなく観光業にも支援を」と訴える。

(資料写真)空から見た沖縄の市街地

 浦添市のレストラン「ザ・ウェスト・フィールドカフェ」店長の諸見優貴さん(37)は「決められたことに従うしかない」と唇をかんだ。売り上げはコロナ禍前の約4割。アルバイトを休ませて正社員3人で店を回しており「この状況が続けばテナント料も払えない」。本島北部は飲食店の売り上げがいいと聞いたことがあり「うらやましい。県全域が対象になれば早く収束するのでは」と話した。

 沖縄市のライブハウス「ZIGZAG」のオーナー古謝英男さん(58)によると、同業者の多くが重点措置対象となる飲食店営業許可を受けている。店は3月から約3カ月ぶりに営業再開したばかり。「ライブ配信もやっているがそれだけでは厳しい。時短営業の要請期限の21日を待ち望んでいたのに」とショックは大きい。重点措置に理解を示しつつも「みんな対策が中途半端すぎる。危機感を持たないと、どの店も持たない」と警鐘を鳴らした。

 「これからキャンセルが出るかも」と表情を曇らせたのは那覇市久茂地のビジネス観光ホテルの50代男性従業員。GWの予約は「まずまず」。満室状態の例年ほどではないが、5月は丸々休業した昨年と比べれば「だいぶまし」と期待していた。「仕方ないのかな」としつつも、強い措置を取るのであれば雇用調整助成金の延長など支援も拡充してほしいと求めた。

 那覇市の旅行代理店で働く30代女性は「去年からの緊急事態宣言で減った収益を、少しでもGWに取り戻すはずだった」とキャンセル手続きが予想される今後にうんざりした表情。「観光業への援助はあっても、恩恵を受けられない会社もある」とより幅広い支援を望んだ。

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