三菱電機、杉山社長が辞任 不正検査の「責任を痛感」「風土改革」なるか

» 2021年07月02日 17時40分 公開
[ITmedia]

 三菱電機は7月2日、鉄道関連製品の不正検査について謝罪会見を実施。杉山武史社長が自らの辞任を発表した。同日付で緊急対策室を発足し、当面は杉山社長が指揮。後任社長が決まり次第、交代するという。会見で杉山社長は「労務問題、不正アクセス問題などが立て続けに発生し、皆様の信頼を大きく毀損した。社長として責任を痛感している」と話した。

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 同社は6月14日、検査の自動化の過程で不正を把握。鉄道車両用空調装置や空気圧縮機ユニットの一部で、顧客と契約で取り決めた検査が適切に行われておらず、不正や不実施があった。なお、発覚した不正に起因する事故は確認されていない。

 社内では本来行うべき検査とは別の検査の結果をもって、省略しても問題ないだろうと認識。顧客の了解を得ずに検査を省略していたという。同社は安全性に問題はなく、法令違反はなかったと説明している。不正行為は1985年から35年以上にわたって行われてきた。

photo 辞任を表明した杉山武史社長(同社サイトより)

 今後は外部の弁護士を委員長とする外部調査委員会を設立するほか、緊急対策室を2日付で発足。社長が主導し、取締役会の監査役会が監督する。9月までに調査結果と再発防止策を公表する予定。

 不正検査を巡っては、同社の長崎製作所(長崎県西彼杵郡時津町)が製造する鉄道車両関連製品の検査に不正検査があったと、29日に報道各社が報じていた。一部の報道では、検査結果を偽装するために専用プログラムが使われていたとしている。

【編集履歴:2021年7月2日18時20分 初出時のタイトルを改めました】



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