小笠原諸島の海底火山噴火で噴き上がったとみられる軽石は、沖縄県内の離島にも相次いで漂着している。離島間を結ぶ船が欠航を余儀なくされるなどライフラインに影響が出ており、島民からは「コロナが落ち着いたと思ったら、今度は軽石か」との嘆きが漏れている。
伊是名村の内花漁港で26日、軽石が大量に流れ込んでいるのが確認された。伊是名島と伊平屋島を結ぶ海上タクシーの欠航や、出港を控える漁師が増えるなど、被害が広がっている。
村や漁協によると、10日以降に村内全域の海岸で漂着が相次いで確認された。船の直接的な被害は報告されていないが、エンジントラブルを避けようと自主的な出港控えが相次ぎ、影響の長期化を懸念する声が上がっている。本島を結ぶフェリーが入港する仲田港でも、漂着が確認された。
海上タクシーの船長をする比嘉靖さん(48)によると、漂着は25日以降に急増。沖合にも帯状に漂っている。「コロナがやっと落ち着いて利用客が増えてきた時に、次は軽石。もう散々だ」と嘆いた。
軽石が漂着した渡嘉敷港で24日、船員や村役場職員らが土のうなどに使う「トン袋」と呼ばれる袋四個分を回収した。
島民によると、18日ごろから島の沿岸部で漂着を確認。渡嘉敷漁業協同組合は組合員や住民に「軽石が浮かぶ海面を航行するとエンジンに悪影響を及ぼす恐れがあるため、出漁には十分注意を」と会員制交流サイト(SNS)などで注意を呼び掛けている。
担当する村観光産業課は「今後の予想はつかないが、根気強く回収していくしかない。国や県の動向を注視していく」と話した。(新垣聡通信員)
Copyright © The Okinawa Times All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング