ロックダウン下でも過去最高益 アメリカ展開の和食店KATSU-YAグループ(1/2 ページ)

» 2022年01月24日 13時33分 公開
[沖縄タイムス+プラス]
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 沖縄県出身の上地勝也氏(63)が代表を務め、米ロサンゼルスを中心に和食店18店舗を展開するKATSU-YAグループが、コロナ禍によるロックダウン(都市封鎖)で飲食店の廃業や人員整理が相次ぐ中、経営再建策として賃上げを実施し、2020年は過去最高益を確保した。従業員の士気向上や、宅配メニュー強化で売り上げを伸ばした。上地氏は「従業員みんなで、前向きな戦略に取り組めた」とする。(編集委員・照屋剛志)

ラスベガスでのイベントでマグロの解体ショーを披露した上地勝也氏=2018年(提供)

 KATSU-YAグループは、すし店「KATSU-YA」と日本料理店「極(きわみ)」を米国内外に18店舗出店。ピーク時の売上高は100億円あった。そのうち15店舗はロサンゼルスで営業している。

 ロサンゼルスのあるカリフォルニア州では、新型コロナウイルス感染拡大が始まった20年3月からロックダウンを実施。飲食店は店内営業が停止となり、宅配と持ち帰りのみの対応となった。

KATSU-YAグループの上地勝也代表=17日、沖縄タイムス社

 客足は途絶え、20年4月には同グループの運転資金が底を突きかけた。上地氏は「無借金経営を心掛け、キャッシュフローはゆとりを持たせていたが、かなり厳しい状況に追い込まれた」と振り返る。

 米政府の補助金が出たことで資金繰りは改善。上地氏は「私でもとても不安だった。従業員の不安はもっと大きいはず」と、およそ500人の全従業員の賃上げを決めた。時給15ドルのアルバイトには3ドル上乗せし、解雇もしないと宣言した。

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