レンタカー不足「稼ぎ時に備えられない」 GWの沖縄で予約殺到コロナで減車

» 2022年04月28日 15時44分 公開
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 ゴールデンウイーク(GW)目前で沖縄県内の観光需要が高まる一方、レンタカーの供給不足が顕在化している。県レンタカー協会会員の3月の車両保有台数は、2020年同月比29.8%減の1万5276台となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で観光客が激減した後、各社は減車。経営体力が弱まった事業者は増車に踏み切れず供給が追い付いていない。公共交通機関の利用を促したり、バス会社と協力して臨時シャトルバスを用意するホテルもある。(政経部・又吉朝香)

 県レンタカー協会(白石武博会長)によると、コロナ前の19年7月の保有台数は2万7710台とピークに上った。しかし、コロナで状況は一変。22年3月はピーク時の44.8%減の1万5276台と大幅に減った。通常なら、GW前は各社需要を見越して増車するが、4〜5月も約1万5800台(推定値)にとどまる。

 白石会長は「企業努力ではどうしようもなく、行政に支援を訴え続けているが返事はない。業界の経営体力は弱まり稼ぎ時に備えられずにいる」と訴えた。

 豊見城市のレンタカー会社はGW期間に予約が殺到し、キャンセル待ちが150件に上った。コロナ前の同期間は2100台だったが、今年は600台で十分に対応できなかった。

 担当者は「キャンセルや予約時間を整理しキャンセル待ちの半分は利用できるようにした。乗車できない客には公共交通機関の利用を案内した」と説明した。

 那覇市の大手レンタカー会社も同期間の予約は埋まっている。担当者は「ホテルや飛行機の予約はできたが、レンタカーの予約が取れずに困っていると訴える観光客が多い」と話した。

 レンタカー不足に対応しようと、バスの利用を促す動きもある。ヒルトン沖縄瀬底リゾート(本部町)はGW期間中、本部港と那覇空港の往復路線があるやんばる急行バスと連携し、本部港とホテルを結ぶ臨時便を用意した。ホテルへの移動をスムーズにし、レンタカーが取れなかった観光客に対応する。担当者は「公共機関の利用促進はレンタカー不足への対応だけでなく、エコツーリズムにもつながる」と期待した。

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