「2022年3月31日まで値上げしません! 価格凍結!」
流通大手イオングループのプライベートブランド「トップバリュ」の売り場には、こんなポップがいたるところに掲げられているが、よもや「パートの時給」まで上がっていなかったとは――。
3月5日、イオン九州(福岡市)が、熊本県内などのスーパーのパート従業員を地域別最低賃金よりも低い時給で募集していた、と『熊本日日新聞』が報じた。
現在、熊本の最低賃金は821円で大分は822円。しかし、熊本のマックスバリュでは時給793円、大分のイオンでは792円と最低賃金を下回る賃金で募集がなされていたというのだ。
といっても、イオン九州によればこれは「時給を掲示するシステムなどの更新がきちんとできておらず、チェックから漏れていたもの」だそうで、過去にさかのぼって賃金台帳を確認したところ、現実には最低賃金以下で雇用した従業員はいないという。
「なんだよ、じゃあわざわざ騒ぐような話じゃないじゃん」とか「イオンだってそれくらいのミスはするだろ、地方紙はそんな粗探しみたいなことをしてヒマだな」と思う方もいるだろうが、筆者は日本経済を弱体化させている原因が垣間見える深刻なニュースだと考えている。
それはひとことで言ってしまうと、「安さの無限ループ」である。
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