育たぬ新人、伸びない売り上げ、なぜ? 人材育成から見直す生産性向上への新アプローチ

» 2023年02月14日 10時00分 公開
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 働き方改革やコロナ禍により、日本のビジネス環境は大きく変わった。今や長時間労働は時代遅れとされ、業務効率化や生産性向上が強く求められるようになった。業務を見極め適切なリソース配分を行い、従業員のパフォーマンス向上に努めなければ、継続的な企業成長は見込めない時代が到来している。

 ビジネス環境の変化が早く、不確実性が高まる中、企業が生き残るために何をすべきか。そして、従業員の生産性を上げるためにはどのような取り組みが必要か。企業の生産性向上支援コンサルティングを提供するスタディストで、取締役 副社長を務める庄司啓太郎氏に話を聞いた。

“聖域”化している人材育成 問い直される在り方は

 コロナ禍で出社ができなくなった2020年以降、在宅勤務やハイブリッドワークが根付いたことで私たちの仕事そのものが問い直された。「新人研修は同じ場所に集まらなくてもよい」「営業先に訪問する必要はない」など、さまざまな固定観念が崩れたのは周知の事実だ。

 業務のオンライン化が定着したことで、効率化や生産性向上がより求められるようになった点も捨て置けない。感染拡大直後はオンライン会議システムが爆発的に広がったが、今は新たな課題としてオンラインコミュニケーションの質が見直され始めている。

 人材育成も「コロナ禍以前は“聖域”のように捉えられていた」と庄司氏は指摘する。教育担当者から「熱意を持って若手を育てます」といわれると、会社は無駄や非効率な部分を指摘しづらかったというのが理由だ。その結果、究極の属人化となり一石を投じにくい領域となる――という悪循環が生まれていたと庄司氏は話す。

 しかし、コロナ禍で研修のオンライン化やカリキュラムの変更をせざるを得ない状況となり、育成そのものを問い直すきっかけが生まれた。庄司氏は「人材育成の本質は『学ぶ場所』ではありません。それよりも学び手の頭に残り、実際に現場に出た際に学んだことが実践できる、再現性が高い伝え方が重要です」と説き、続ける。

photo スタディストの庄司啓太郎氏(取締役 副社長)

 「『理解していること』と『再現できること』は全く意味合いが異なります。その点を意識して人材育成に取り組めているかどうかで、新人が育つスピードや人材の定着率に大きな差が出るはずです。多くのオンライン研修は知識の伝達に終始していて、受講生に理解させる段階で終わっています。残念ながら、私たちが見聞きした企業の例でいうと受講生が研修資料を見返す機会はほとんどなく、『教えたことを現場で再現できていない』ことに悩む企業からの相談は絶えません」(庄司氏)

 それでも今までは、対面による丁寧なOJTで誤りを指摘したり、フォローしたりといったことが可能だった。しかし新しい働き方を推進する上ではそれもままならず、同時に人材不足が深刻な中で貴重な戦力である従業員の作業時間を指導にばかり割くのは、生産性を下げる要因になる。近年では、従業員の生産性を高めて成果を上げるためコア業務に時間を割こうという機運が高まっているが、研修で教えた単純業務の指導に人手を割くことはまさにコア業務“外”。早急に見直すべきというのが同氏の見解だ。

業務効率化と人材育成に効果を発揮する「業務のABC分類」

 スタディストは、こういった非効率な人材育成、そして生産性に課題を抱える企業に対し、「業務のABC分類」を提供している。これは、季節業務や人を選ばない単純業務、属人化している業務など、特性に関わらずあらゆる業務を書き出して、今自分たちがどんな業務を抱えているのかを整理するワークショップ。客観的に社内の全業務を把握することが第一段階だ。

 第二段階としては、業務をA、B、Cの3つのタイプに分類する。Aは長年の経験や知見からの判断が求められるクリエイティブな業務。いわゆる職人的な技能が求められ、企業の付加価値にも直結する部分になる。Bはいくつかの選択肢から適切な対応が必要だが、その後は単純作業となる業務を指し、例えば「10万円以上の決裁は部長の承認が必要」といったシチュエーションが当てはまる。Cは経費精算のような、誰がやっても結果が同じになる単純業務。BとCは標準化が容易であり効率化を図るべき領域で、ツールによる自動化も検討可能だ。

 「製造業を例に出せば、工場の門を開ける、機械の電源を入れるなどはCに該当します。一方、職人が担当する製品の仕上がりチェックなどはAに分類されます。ワークショップ前には多くの企業が『うちはAが多い』と口にしますが、実際に書き出してみるとBやCが大半を占めるケースが多いですね。みなさん気付いていないだけで、実は多くの業務が標準化可能であり、生産性を高める余地は多分にあります」(庄司氏)

photo ABC分類の区分け。標準化を図れるBCに該当する業務が属人化していると非効率であり、人材育成にもムラが出やすい

 スタディストが過去40社でワークショップを実施したところ、平均でAが13%、BとCの合計が87%に分類された。つまり、87%の業務は人材育成の効率化や生産性向上が期待できることになる。庄司氏は「BCの業務を再現性のある形にマニュアル化することが第三段階です。先ほど『研修資料を見返す機会はほとんどない』と話しましたが、マニュアルは実践ありきの手順書です。再現性を意識した作りになっているかどうかが、研修資料とマニュアルの大きな差です」と話す。

 ABC分類は、人材育成の手順においても重要な指標となる。多くの育成担当者はその仕事の象徴的な業務――つまりAから教えてしまいがちだ。営業なら顧客への商品提案、飲食店のフロアなら接客の仕方、といった業務が該当する。しかし、Aはテクニックや経験、あるいはセンスを要するため再現性が低い。再現できないことで注意を受ける、何度もやり直しを命じられるなどした結果、従業員のモチベーションが低下し離職につながってしまうこともある。

 「実際はC→B→Aの順番で教える方が効果的です。製造業なら職人技を磨かせる前に、機械の操作を教えることです。BCのような基本の仕事ができていれば怒る機会も減りますし、個人の力量を見ながらAに取り組んでもらったときには、挑戦を褒める余裕も生まれます。人材を120%生かすためにも、業務のABC分類は効果的です」(庄司氏)

Teachme Bizに見る、現場で生きる次世代マニュアル

 マニュアルと聞くと、どこか古臭くて作っても誰も見ない――そんなネガティブなイメージがあるが、特にCのような誰がやっても同じ結果でなければならない業務には非常に有用。例えば経理担当者によって経費の管理方法や合計金額が異なると問題になるように、むしろクリエイティビティを発揮されると困る領域にこそ生きてくる。「正しいルールを誰も知らないことがC業務の課題であれば、堂々とマニュアル化することが必要」と庄司氏は説明する。

 「ルールを決めることと、業務手順を改善していくことは別です。『どうせ手順を変えるからルールを決めない』のは、人材教育にとっては悪影響でしかありません。いろいろなやり方を許容してしまうと、業務の属人化につながり人に教えることも難しくなります。まずはルールを決めて、それから改善していくことが正しい企業成長の姿です」(庄司氏)

 マニュアル化で重要なのは、「作りやすさ」「共有のしやすさ」「改定のしやすさ」「管理のしやすさ」の4つだと庄司氏は語る。スタディストが提供する「Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)」はこの4つを網羅しており、クラウド上で誰でも簡単にマニュアルを作り、直し、見ることが可能だ。

photo スタディストが提供するマニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」。小売業界だけではなく、オフィスワーク現場にも広く導入されている

 スタディストでは自社でもTeachme Bizを活用しているというが、同社が運用するマニュアルは社内向け、社外向けを合わせてなんと5800件。日々の業務の中で各部門が普段からマニュアルを活用しながら、変更が必要であると判断すればその都度、更新を重ねている。そのため、マニュアルの内容が陳腐化することも少ない。

 例えば同社では、オフィス入り口にある防犯システムの解除方法といった小さなことまでマニュアルで管理している。該当場所にQRコードを貼り、スマホで読み込むと関連するTeachme Biz上のマニュアルが表示されるなど、参照方法にも工夫が見られる。ログイン端末を制限すればアクセスもセキュアだ。

 「不明点を人に聞いてその都度、解決できるのであればいちいちマニュアルにする必要性を感じないかもしれません。しかし、人に聞くとどうしても話し手の説明力が聞き手の理解度に影響を与えます。その点、マニュアルですぐに確認できれば理解度や再現性にムラが生じず、周りに聞いて回ることによる業務の停滞も防げます。誰の時間も奪わないためコミュニケーションコスト削減効果も大きく、人材育成、生産性向上へのインパクトは大きいはずです」(庄司氏)

組織の生産性向上につながる人材育成の変革を

 スタディストは、生産性向上を目指す企業にとってのパートナーでありたいと考えている。そのため、ただマニュアル化を推奨してTeachme Biz導入を促すのではなく、マニュアルによる生産性向上に取り組む手前の部分――例えば業務内容が定義されているか、組織内で適切なコミュニケーションが取れているか、ミッションが共有されているか……といった組織の健康状態を可視化する「組織生産性サーベイ」を始め、前述したABC分類、さらにその先のマニュアル作成代行まで幅広く企業をサポートしている。

 今後は、組織開発を行う企業や研修企業、動画の解析サービスを展開する企業などとのコラボレーションを活発化し、さらなるソリューションの拡充を図っていく考えだ。

 プロの視点が入ることで、組織としてのボトルネックが見つかり、業務の分類化やマニュアル化などで人材育成が効率化され、企業の生産性向上につながる。人材育成や生産性向上に課題を抱える企業は、スタディストに相談してみてはいかがだろうか。

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提供:株式会社スタディスト
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年2月27日