米セールスフォース、22年の年末商戦を分析 売上に“7倍差”がついた施策は?15億人超の買い物客データから

» 2023年01月27日 15時06分 公開

 米Salesforceは、2022年のホリデーショッピングシーズンを総括するレポートを発表した。消費者が同期間を通してオンラインで支払った金額は、全世界で1兆1400億ドル(約148兆円)を記録した。また米国の企業では、BOPIS(オンライン購入したものを実店舗で受け取るサービス)に対応した企業とそうでない店舗とで、売上に7倍の差がついたという。

年末商戦 Salesforceが2022年の年末商戦をレポート(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 ホリデーショッピングシーズンとは、11月最終週の木曜日の感謝祭からクリスマス、そして元日までの期間だ。

 調査によると、11月のオンライン売上高は20年と21年に比べて減少したものの、22年はセールやBOPIS(オンライン購入したものを実店舗で受け取るサービス)が売り上げを後押しした。

 その一方で、返品は過去最高の13.9億件に達したことも分かった。返品は全注文総数の13%を占め、前年比で63%増加した。とくにクリスマス後の6日間で急増し、その期間で16%が返品されたという。

 シーズン序盤では小売業者による割り引きが目立った。平均割引率は21年では19%だったのに対して、22年は21%に増加した。

 商品カテゴリー別に見ると、美容、スキンケア、化粧品の割引率が高く、平均割引率は29%。次いで、一般衣料品とハンドバッグの平均割引率は27%だった。

年末商戦 返品数は過去最高の13.9億件 (画像はイメージ)

 全世界のオンライン注文の5件に1件がBOPIS経由であり、BOPISの利用はクリスマス休暇前の金曜日に全注文の35%に達しており、駆け込みの需要がうかがえる。BOPISに対応した米国企業は、対応しなかった企業よりも約7倍の売上高を記録した。

 またソーシャルメディアからの流入による販売件数は過去最高を記録し、全てのモバイルのアクセスの12%を占めた。最も多い国はベルギー、イタリア、アメリカだった。

年末商戦 ソーシャルメディアからの流入による販売件数も過去最高を記録 (画像はイメージ)

 Salesforceのリテール担当、バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのロブ・ガーフ氏は、「22年のホリデーシーズンは、予想を上回るオンライン売上で締めくくったが、返品件数の多さは消費者が慎重な購買行動を取っていることを物語っている。23年は、顧客をビジネスの中心に据える取り組みを小売業者は推進する必要がある」とコメントした。

 今回の調査は、Salesforce Customer 360を利用しているECサイトの15億人以上の買い物客の、11月と12月のショッピングデータを基に分析した。

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