ABEMA、武尊選手と専属契約 1試合「最低1億円」の報酬独占配信の権利取得

» 2023年03月29日 21時02分 公開
[ITmedia]

 サイバーエージェントが運営するABEMAは、元K-1ファイターの武尊選手と専属PPV(ペイパービュー、有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)ファイター契約を締結した。武尊選手の試合や大会、イベントを独占配信する権利を取得。同社のPPVプラットフォーム「ABEMA PPV ONLINE LIVE(アベマペイパービューオンラインライブ)」で配信する大会では、同選手に1試合ごとに最低保証として1億円の報酬を支払う。視聴チケットの売り上げに応じた追加報酬も予定している。

 この契約により武尊選手は日本人格闘家初の“PPVファイター”となった。ABEMAは「今回の契約を機に、格闘界により明るい未来が訪れるようなパートナーシップを育てていければと思う」とコメントしている。

 定額制動画配信では熾烈(しれつ)な競争が続く。GEM Partnersの調査によると、2022年の国内シェアは、Netflixが22.3%でトップ。2位にU-NEXT(12.6%)、3位にPrime Video(11.8%)が続く。スポーツジャンルで無料放送とPPVを両立させるABEMAのプレミアムサービスは10位で、2.5%にとどまっている。

GEM Partnersの調査

 そんな中ABEMAは、武尊選手と専属契約を結ぶことによって格闘技での存在感を高めようとしている。武尊選手は6月24日にフランス・パリで開催する『Impact in Paris(インパクトインパリ)』での復帰戦が決定。この大会もABEMA PPV ONLINE LIVEで独占生中継する。

 武尊選手は、K-1史上初の三階級制覇を成し遂げたトップファイター。22年6月に開催された那須川天心選手との「THE MATCH 2022」では、50万を超える大会視聴チケットの券売数を記録。現在は、株式会社STRの代表取締役に就任し、実業家としても注目されている。

 武尊選手は「海外のスポーツ界のようにPPVがもっと浸透して、格闘家がスポーツ界でもっと評価され、格闘技界がさらに夢のある業界になるよう、PPVというビジネスをより大きくしていくために頑張りたい。この契約が今頑張っている選手にとってもいいモデルとなればいい」と話す。

ABEMA格闘チャンネルの北野雄司エグゼクティブプロデューサー(撮影:武田信晃)

 ABEMAは「FIFA ワールドカップ カタール 2022」「メジャーリーグベースボール」「プレミアリーグ」などを中継。格闘チャンネルにも力を入れており、最近ではプロレスラー・武藤敬司選手の引退試合を配信するなど年間の中継数は150大会を超えている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.