「グランドセイコー」初の機械式クロノグラフが登場、価格は181万円：テンタグラフ（1/2 ページ）

[熊谷ショウコ，ITmedia]

　セイコーウオッチは6月9日、同社の国産時計ブランド「グランドセイコー」初となる機械式クロノグラフムーブメントを搭載した「グランドセイコー エボリューション9 コレクション テンタグラフ」（品番：SLGC001）を発売する。希望小売価格は181万5000円。

「グランドセイコー エボリューション9 コレクション テンタグラフ」（出典：プレスリリース、以下同）

　本製品に搭載される「テンタグラフ」と名付けられたクロノグラフムーブメント「キャリバー9SC5」は、2020年に発表した高振動の「ハイビートキャリバー9SA5」をベースに開発。毎秒10振動による計時精度と、クロノグラフ作動時でも3日間（約72時間）の駆動を約束するという。

　同社では本製品を機に、新たな精度規格を設定。従来のグランドセイコーと同様に、6方向の姿勢、3段階の温度という条件下で17日間にわたる厳格な試験を受け、さらに3日間、クロノグラフを作動させた状態かつ3方向の姿勢で精度を評価する。テンタグラフはグランドセイコー規格が定める基準をクリアするため、合計20日間のテストが実施される。

「テンタグラフ（TENTAGRAPH）」の名称は、10振動、3日間のパワーリザーブ、自動巻クロノグラフという3つの機能に由来

　テンタグラフには、伝達効率を飛躍的に高めた「デュアルインパルス脱進機」を搭載。この機構とツインバレル（2つの動力ぜんまい）の連動により、10振動でありながら、長時間のパワーリザーブを実現したという。

　加えて、グランドセイコーらしい「正確な計測と操作性、耐久性」を確保したクロノグラフ機構を設計。垂直クラッチは指針ずれや針飛びを抑制し、計測精度を高め、コラムホイールはクロノグラフの作動を正確に制御する。さらにムーブメントに組み込まれた独自の三叉ハンマーにより、リセット時、心地良いクリック感とともにクロノグラフ針を瞬時にゼロ地点へ戻すようにした。