2つの変更に至った経緯について、PayPay広報部は「社内で協議し総合的に検討した結果、今回の発表をさせていただきました。PayPayではPayPayカードとの連携を強化しており、『PayPayあと払い』をご利用いただければ、残高チャージ不要で、PayPayポイントもより多く付与され、PayPayで当月に利用した金額を翌月にまとめて支払えます」と説明しています。
デビットカード、プリペイドカードも同様に使えなくなるとのことから、金融包摂の点からも利用者に厳しい変更といえますが、PayPayカードを持たない人向けには「銀行口座からのチャージやセブン銀行、ローソン銀行からの現金でのチャージなどをご利用いただければと思います」(PayPay広報)と案内しています。
PayPayはこれまで赤字覚悟でユーザーを獲得してきたこともあり、いよいよそれを「回収」する段階に入ったのではないかという見方があるようです。
PayPay側は他社クレカを使われた場合、決済手数料を負担していたと考えられます。その上で、利用スタイルによってはPayPayカードよりも他社クレカのほうがおトクだったり、便利だったりする場合があるというのは「不都合な真実」だったといえます。
それを是正し、本来あるべき姿に戻ろうとしている印象はあります。ただ、こういう場合にはPayPayカード自体の魅力を高めることで、PayPay利用者が自然とPayPayカードを選ぶような施策を期待したかったところです。
そういう意味では、今回の変更は他社クレカを使えなくすることで利用者を追い立てる形になっており、これがユーザーの心理にどのような影響を与えるのか気になるところです。
1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。
ヤフーニュース個人:「ITジャーナリスト2.0 山口健太」
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