【iPhone15】USB-Cで何ができる? 移行期には混乱も(1/2 ページ)

» 2023年09月15日 06時30分 公開
[山口健太ITmedia]

この記事は、Yahoo!ニュース個人に9月13日に掲載された「【iPhone15】USB-Cで何ができる? 移行期には混乱も」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


 9月12日(米国時間)にアップルが発表したiPhone 15には、ついに「USB-C」端子が搭載されました。ケーブルやアダプターを共通化できるなどのメリットはあるものの、移行にあたって混乱が生じる可能性もあります。

photo iPhone 15のUSB-C端子(アップルの発表イベント動画より)

USB-Cで何ができる?

 iPhone 15がUSB-Cを搭載したことで、いったい何ができるのか、アップルの発表動画やスペックから探っていきます。

 多くの人に関係してくるのは、パソコンやタブレット、Androidスマホとの間で、ケーブルやハブなどを統一できる可能性があるという点です。

 USB-CケーブルはiPhone専用ではなく、MacやiPadの充電にも使えるとアップルは説明しています。アップル以外の製品にも使える可能性が高そうです。

 iPhone 15の本体にはUSB-Cケーブルが1本付属します。ただ、これまでiPhoneしか使っていなかった人の場合、予備のケーブルが必要な場合は新たな負担が生じることになります。

photo 本体にはUSB-Cケーブルが1本付属する(アップルのWebサイトより)

 このことから、安価で高品質なサードパーティのUSB-Cケーブルの需要が高まりそうです。ここで注意が必要なのは、ケーブル選びです。

 アップルがUSB-Cを最初に採用したのは2015年発売のMacBookですが、それ以降、さまざまな規格に対応した多種多様なケーブルが世の中には普及しています。iPhoneのモデルによって規格は異なり、iPhone 15とiPhone 15 Plusは「USB 2」(最大480Mbps)、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxが「USB 3」(最大10Gbps)に対応しています。

アップル純正のUSB-C充電ケーブルは、60Wと240Wの両方が「USB 2」対応となっています。「純正のケーブルを買ったのにUSB 3に対応していなかった」とならないよう、注意が必要です。

photo 240W充電に対応した新しいUSB-Cケーブルも、速度は「USB 2」となっている(アップルのWebサイトより、筆者作成)

 純正品の中では「Thunderbolt 4(USB-C)Proケーブル」がUSB 3に対応しているようです。技術的には10Gbpsに対応したサードパーティ品も使えると思われるので、実機を手に入れたら確かめてみたいところです。

 すでにWi-Fi経由のデータ転送で満足している場合は、必ずしもUSB 3にこだわる必要はありません。一方、大容量の写真や動画を頻繁に転送している場合は、USB 3のメリットを活かせるでしょう。

 iPhone本体に充電器は付属しないものの、20Wの電源アダプターによる急速充電に対応しています。すでにUSB-Cに対応したサードパーティ製の充電器を持っている人なら、買い替える必要はないでしょう。

 意外な機能としては、iPhone 15のUSB-C端子を利用して、Apple WatchやAirPodsを充電することが可能になりました。iPadやAndroidスマホと同様に、iPhone本体をモバイルバッテリーのように使えることになります。

 USB-Cを利用した画面出力は「DisplayPort」に対応。解像度は「最大4K HDR」となっており、これまでのLightning経由の最大1080pから向上しています。

MacやiPad用の「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を利用できるとのことから、MacやiPadに対応したサードパーティのUSB-Cハブやドッキングステーションを、iPhone 15でも使える可能性があります。

 なお、iPhone 15のデータ転送速度はUSB 2となっているものの、DisplayPort出力には対応しています。あまり見かけない仕様ですが、第10世代iPadとよく似ています。

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