1本500円の“幻のバナナ” 高級志向は成功するか初日27分で完売(2/3 ページ)

» 2023年12月03日 09時00分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 答えは明快。日本人の「よく食べるフルーツ第1位」と「世帯当たりの年間支出額最多フルーツ」がいずれもバナナで、一方で日本産は0.1%程度と国内自給率が極めて低いことに着目。「自前で極上の無農薬バナナを栽培し売りだそうと」(星野圭佑駅長)。

 現在、スーパーなどで安く手に入る輸入ものバナナの品種は「キャベンディッシュ」と呼ばれるが、道の駅が挑むのは戦前などに国内でも生産していた「グロスミッシェル」。熱帯性のカビの病気「パナマ病」にやられ、輸入ものの台頭で姿を消した高級種で、糖度25(甘いメロンで20)でモチモチとした食感が特徴。

 3月上旬、敷地内のビニールハウス8棟に苗木340本を植え、露地野菜栽培などを手掛ける地元業者が大事に育ててきた。室温管理は夜間20度以上、昼は30度を超えないようにして夏の猛暑も35度までと設定。センサーで探知し換気した。無農薬のため虫の処理にも苦慮したという。

 苗木は巨大な木に成長、1本あたりバナナ約250本ができるため、約8万5000本が時間差をおきながら生育する。年間2回収穫が可能なので、ざっと17万本が販路に乗る計算だ。

 道の駅まえばし赤城は、前橋市が民間の資金やノウハウを活用する形でオープン。「ここにしかない食」「今までにない直売所」を掲げ、生産者が採れたての野菜などを持ち込み自ら店頭で調理レシピや栽培の苦労話を交えたライブ販売を展開する。7ヘクタールの敷地では直売所のほか温浴施設、子供が遊べる芝生の広場などがあり、新たな観光施設として注目された。

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