お酒を飲まないスタイルは「ソバーキュリアス」(英語の「しらふ」と「好奇心が強い」を組み合わせた造語)と呼ばれ、欧米発で若者を中心に広がりを見せている。
こうした需要に応えようと、飲食業界でもノンアルコール商品を取り扱う店舗が増加しており、夜の街として知られる大阪・北新地では、ノンアルコール専門のユニークなバー「ヴァージンカクテルバーEnn(エン)」が3年前にオープンした。
北新地でラウンジも経営するオーナーの山根ゆかりさんは「お酒を飲む人が昔に比べてずいぶんと減っている。それでも飲料片手にコミュニケーションする場は求められており、潜在的な需要はあると感じていた」と説明する。
店では約15種類の多彩なノンアルコールカクテルのほか、ノンアルコールビールなども幅広くそろえる。どうしても飲みたい人のためにアルコール飲料も用意はしているものの、メインはノンアルコールで、ハチミツなど健康を意識した材料で作ることを心掛けているという。
山根さんは「お酒は飲みたくないけれど、喫茶店では物足りないというノンアルコール派の人が気軽に立ち寄れるくつろぎの場を提供したい」と力を込める。
拡大を続けるノンアルコール市場は今後もさらに広がりを見せるのか。ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は、コロナ禍などで健康志向が高まったほか、職場の義理的な飲み会が減りコミュニケーションの様式が変わってきていることに触れ、「今後も成長していく市場になる」と予測する。
一方で、各社の競争が激しくなっていることから「ライフスタイルのどこに商品がはまっていくのかという幅広い視点を持って訴求していくことが重要になる」と指摘した。(清水更沙)
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