若者を中心にアルコール離れが進む中、ノンアルコール飲料の需要が堅調に伸びている。各社がビールだけでなく、ワイン、ハイボール、チューハイなど多種多様なジャンルで酔わずに“お酒”を楽しめる商品を打ち出しており、ノンアルコール専門のバーも登場した。新型コロナウイルス禍で広まった健康志向の高まりも追い風で、専門家は「市場はさらに成長していく」とみる。
「酔わずにお酒の味をしっかりと楽しみたいときにぴったり」
大阪市西区の公務員の女性(28)はお酒が飲めないわけではない。それでも翌日に大事な仕事があるときなどはアルコールを控えつつ飲み会の空気を楽しみたい。そんな場合に最適なのがノンアルコール飲料という。
この女性のお気に入りはレモンサワーブランド「檸檬堂(れもんどう)」を展開する日本コカ・コーラが開発したノンアルコール商品「よわない檸檬堂」。「味はお酒と変わらない。お酒が飲めるからこそ、こういう商品を求めていた」と満足げだ。
「よわない檸檬堂」はノンアルコール市場の広がりを受け、同社が昨年販売を開始した。レモン果汁のほか、ジンに使用するスパイスを加えた独自の製法で本格的なレモンサワーの味を再現している。担当者は「お酒を飲まない、または飲めない日でも本格的なお酒の味わいや楽しみ方を提供し、評価を得ている」と自信をみせる。
サントリーの調査によると、令和4年のノンアルコール飲料の市場規模は前年比2%増の4084万ケース(1ケース=350ミリリットル入り24本)で、10年前より4割ほど拡大している。
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