270台のカメラと各種センサーによる8600にも上る測定データから設備故障などを監視・予知する保全システムの本格運用も始まり、「昨年度はライン停止につながるトラブルを10件、未然に防いだ」(集中管理の担当者)という。
国内自動車大手の工場でこれほど思い切った自動化を達成した稼働中の量産ラインはないとみられ、鮎川氏の挑戦の精神と90年のもの作りの進化を象徴する。その技術は順次、世界の拠点に展開される。
ただ、他がやらぬ挑戦はリスクも伴う。半導体不足に、世界初の塗装技術の安定稼働にてこずったことが重なり、供給力の制約でアリアは国内受注の停止が続いている。生産が安定したことで今年度内に受注は再開される見通しだが、EV展開のスピードは鈍った。
一方、日産は走行状態に応じて燃費と動力の双方で高い性能を実現する「可変圧縮比エンジン」の世界初の量産化に成功。同エンジンの搭載車を中国に投入したものの、せっかくの差別化技術も需要の急速なEVシフトの波にのまれた。
11月の中国販売台数は市場全体(輸出除く)の248万8千台に対して7万4879台で、シェアは3%。ピークの2011年の7.3%から半分を下回る水準に後退している。
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