マッサージ機「あんま王」が売れている、業務用の特徴は?(2/2 ページ)

» 2023年12月26日 11時36分 公開
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 城田さんは、業務用に求められる機能を(1)耐久性(2)メンテナンス体制(3)乗ってみたいと思わせる見栄え―と説明する。

 耐久性は、家庭用の3倍、2500時間の耐久稼働試験を行っている。「業務用はハードな使用に耐える必要がある。2500時間は、10分200円なら300万の売り上げ。充分、機械の代金を回収できる」。

 また、故障にはすぐに対応する。なぜなら、「施設にとってお金を稼ぐ機械だから停止時間は極力少なくする必要がある」と、城田さん。そのため摩擦で破れやすいもみ玉のカバー、体と接するレザーを交換しやすくした。消耗品としたことでメンテナンスが速く、機械の寿命も延びた。家庭用機ではこれらは一体化し、交換不可能だ。

 業務用は家庭用より豪華であることが求められる。「家にあるものと同じでは乗らない」のだ。フェイスカバーを大きくし、誰が乗っているかわからないようにもした。

 2019年、音声が流れる機能を搭載。家庭用の場合、リラックスするために音楽を流したり、使用方法の説明を行う。だが、業務用は異なる。一定時間、入金がない場合、30秒に1回、「お金を入れてください」と音声が流れる。「ソファ代わりになることを、防ぐため」だ。

 こうした業務用のニーズは、同社の営業部門が現場から聞いてくる。営業部門は、新規設置推進するための部署。「新たな設置場所を開拓する市場開発部隊と位置付けている」。

 その成果は、空港からネットカフェ、ショッピングモールと設置場所の拡大につながっている。こうした積み重ねにより、「あんま王」シリーズは、10年で、販売実績1万5000台を超え、業務用マッサージ機という新たな市場を創出した。 (村上信夫)

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