空港、JR、ショッピングモール。業務用マッサージ機の設置が拡大している。実は、マッサージ機には、法律上、業務用と家庭用の区別はない。管理医療機器として、医薬品医療機器等法で指定され、家庭用マッサージ機器と一括りにされている。
「マッサージ機能だけなら業務用も家庭用もほぼ同じ」と、業務用マッサージ機メーカーの最大手、日本メディック社長、城田充晴(しろた・みつはる)さんは説明する。
安全面から家庭用の出力が小さく設定され、業務用と明確にわかれる美容機器とは、そこが異なる。では、業務用とは何か。それは、市場を切り拓いてきた同社の歴史と重なる。
1980年代まで、マッサージ機は温泉や健康ランドに置いて、風呂上がりの客に体験・購入してもらうもの。同社の前身、トレヴィもそうした販売会社だった。
その後、家電量販店が台頭、売り場に展示し、販売するようになった。同じ頃、テレビショッピングも登場。売り方が大きく変わった。
一方で、温泉などの「マッサージ機がないと困る」という声に応え、1回100円のコインタイマーをつけたところ、大当たり。販売より売り上げが大きくなった。
同社は機械を購入し、タイマーをつけて温泉などに設置するビジネスに転換した。「一カ所に10台設置し、月に4、5万の売り上げ」。機械代は分割で購入し、売り上げから支払うモデルだ。
しかし、メーカーの方針変更で支払いが一括払いに変わった。ビジネスの行き詰まりを感じ、2011年、民事再生手続きを行う。
翌12年、メーカーとして再出発。着目したのは、大手が参入しない業務用というニッチな分野だった。3月、業務用マッサージ機「あんま王」発売。初年度、700台を販売した。
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