また、GDPの世界ランキングがドイツに抜かれて4位に転落したと騒ぐよりも、そもそも日本だけがこの30年間ろくに経済成長できなかったこと自体に関心を向けるべきではないのだろうか。このまま停滞を続けていれば、毎年のように順位が下がったと騒ぐことになり、もはやそれが風物詩になりかねない。
23年は30年ぶりの賃上げ水準が実現され、外的要因とはいえ物価が上昇したことで人々の物価に対する考え方にも変化が生じた。今年も大幅な賃上げがなされれば、いよいよデフレ経済からの脱却も見えてくるだけに、政府と日銀の動きは非常に重要となる。
経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。
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