国公立大志願者の状況は? 受験生の安全志向は感じられない(2/2 ページ)

» 2024年03月01日 07時21分 公開
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 5位は東大。4位までの大学が後期日程を実施しているのに対し、東大は16年度から後期日程を廃止し学校推薦型選抜を実施しているため、一般選抜の志願者数ランキングでは不利だが、最難関大としての存在感を示している。ただ、科類別の志願状況に注目すると、6科類中、文I、文II、理II、理IIIの4科類で減少。中でも文Iと文IIは、志願者が想定数を超えたときに行われる第一段階選抜がなかった。文Iと文IIがそろって行わなかったのは、16年度以来のことだ。

 6位の横浜国立大は、昨年2000人以上志願者が増えた反動から減少。昨年志願者が増えたのは、神奈川県横浜市にある同大の最寄り駅に東京からの路線が乗り入れたことにある。東京の受験生がアクセスしやすくなったことが大きな要因だ。24年度は志願者が減少したとはいえ、昨年の増加分より減少幅は小さい。相変わらず東京の受験生が横浜国立大に向いているからか、12位の東京都立大(6455人)は、2年連続の志願者減となっている。

 7位は昨年の志願者増の反動なく2年連続で増えている京大。以下、8位九州大、9位大阪大と旧帝大が続く。旧帝大の中で志願者の増加率が最も大きいのは、18位の東北大(5702人)。東大や京大を抑え、世界最高水準の研究大学を作るために創設された、10兆円規模の大学ファンドの支援候補になったことが背景にありそうだ。

いざわ・しげる

 大学通信情報調査・編集部部長。1964年2月6日、神奈川県生まれ。明治大学卒業後、受験情報・分析を主力事業とする大学通信入社。大学の入り口(入試)から出口(就職)まで、情報を収集し発信中。中高・大学受験の案内書・情報誌を編集するほか、新聞社系週刊誌、経済誌などへの情報提供と記事執筆を行う。


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