仏、中国激安ファッション「SHEIN」を規制する罰則を検討

» 2024年03月07日 07時30分 公開
[ロイター]

 フランスの与党議員らが、中国のファストファッションブランド「SHEIN」(シーイン)を念頭に、販売価格の最大50%の罰則を課す法案を提出した。ファストファッション産業は多くの温室効果ガスを排出するため、環境への影響を埋め合わせる狙いがある。

 議員によれば、SHEINのように激安商法を展開するファストファッションブランドは、伝統的なアパレルブランドのように年4回コレクションを開いてアイテムをリニューアルするのではなく、1日に何千点もの新商品を提供し、過剰な出費と不要な環境汚染を生み出しているという。

フランスの与党議員らが、中国のファストファッションブランド「SHEIN」(シーイン)を念頭に、販売価格の最大50%の罰則を課す法案を提出した(出典:ロイター)

小売業界を混乱させる中国発EC通販サービス

 法案は「大量生産と低価格を組み合わせた刹那的なファッションへの進化が、消費者の購買習慣に影響を与えている」と指摘。さらに、SHEINを取り上げ、同社が1日平均7200点以上の新モデルを発表し、47万点以上の異なる商品を消費者に提供していると述べた。

 法案は、ファストファッションブランドが環境に与える影響を埋め合わせるため、2030年までに、販売商品1点につき最高10ユーロ、または販売価格の最大50%の罰則を課すことを提案している。

 SHEINは仏AFP通信に寄せた声明で「持続可能な開発と社会的コミットメントの観点から、国際的な最良の慣行に従う」と述べた。法案は、国会の委員会での議論を経て3月後半に国会に提出されるという。

 仏のベシュ環境相は声明で、業界関係者、活動家、研究者との会合の後、同省はファッションが環境に与える影響を軽減するためのいくつかの対策を計画していると述べた。

 SHEINやTemuのような中国発のEC通販サービスの人気は、小売業界に混乱をもたらしている。SHEINは、主に中国を拠点とするサプライヤーのネットワークを生かし、少量の初期注文を受け、需要に応じて規模を拡大するという従来の製造トレンドに逆行した戦略を取っている。

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