「ボトル緑茶」のシェア争い激化、差別化は?(2/2 ページ)

» 2024年03月07日 13時59分 公開
[産経新聞]
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サントリー、濃さで勝負

 サントリー食品インターナショナルは、今年20周年を迎える「伊右衛門」の味わい、パッケージを大きく刷新すると発表。同社によると、令和5年の清涼飲料出荷実績は前年比102%と過去最高を記録した。一方で、「伊右衛門」(本体緑茶のみ)の販売数量は、平成16年の発売以来、過去最低になったという。

 こうした現状を受け、「一度飲めば違いがわかる、本当においしいお茶」をテーマに、「伊右衛門」ではこれまでの最高レベルの「濃さ」で勝負する。新しくなった「伊右衛門」は、厳選された茶葉を従来品の1.5倍、コクを引き出す旨み抹茶を3倍に増加させ、コクと香りを引き立てた奥深い味わいにした。パッケージは、こだわりの「濃さ」を表現する濃い緑を基調としている。

アサヒ、微発酵茶葉を強調

 一方、アサヒ飲料は、「鼻をぬける香りがいい」「茶葉の香りと甘みがすっきり広がっておいしい」などと好評な「颯」のパッケージを、良さがより伝わるデザインに刷新する。新製品では、緑茶を思わせる緑色を強調するために背景を白色ベースに変更し、特徴である「微発酵茶葉使用」の文字を従来より大きく明記している。販売2年目となる今年は、味わいはそのままに、香り高い緑茶を強調したパッケージでシェア拡大を狙う。

 「ボトル緑茶」市場は、容量や価格重視の傾向が強まるなど同質化が進んでいるという。このため、緑茶に新しさを加えることで市場を活性化しようと各社、工夫を凝らしている。

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