東大の学校推薦型のハードルは高い 途切れず合格者を輩出しているのは2校(2/2 ページ)

» 2024年03月08日 15時27分 公開
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 合格者ランクを見ていこう。最多は3人の開成、渋谷教育学園渋谷、灘の3校。この内、男子校の開成と灘は1校あたりの上限一杯の合格者を出したことになる。開成は42年連続で東大全体の合格者数ランキングでトップを誇る学校だが、意外にも学校推薦型の合格者は少なく、これまでの累計は5人だったが、24年度に大幅増となった。

 2人合格している学校は、秋田、福島(県立)、渋谷教育学園幕張、筑波大付、東京学芸大付、桜修館、日比谷、藤島、長田、西大和学園、久留米大附設がある。

 東大の学校推薦型のハードルはとても高いが、そうした中でも、実施当初の16年から途切れず合格者を輩出している学校が2校ある。前出の渋谷教育学園渋谷と日比谷だ。欠落年が1度の学校は秋田と海城だった。

 連続して合格者を輩出する学校の教諭は「当初は手探りだったが、推薦を重ねるにつれ教員間の情報共有が進んだ。先輩が途切れず合格することで、後輩にとって東大の学校推薦型に対するアレルギーがない」と、その要因を説明する。

 合格のためのノウハウを継承し、生徒も前向きな学校が、合格者の連続輩出記録をどこまで伸ばすのか、注目したい。

井沢秀(いざわ・しげる)

 大学通信情報調査・編集部部長。1964年2月6日、神奈川県生まれ。明治大学卒業後、受験情報・分析を主力事業とする大学通信入社。大学の入り口(入試)から出口(就職)まで、情報を収集し発信中。中高・大学受験の案内書・情報誌を編集するほか、新聞社系週刊誌、経済誌などへの情報提供と記事執筆を行う。


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