わが道を貫いたトヨタの「先見性」 明らかになってきたEV・脱炭素の「欺瞞」(2/3 ページ)

» 2024年03月18日 08時11分 公開
[ZAKZAK]
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 しかも、EV化に手を抜いていたわけではない。2027〜28年頃に量産化される見込みの「全固体電池」がEV車に革命を起こすかもしれない。

 「脱炭素」について、世界的富豪のウォーレン・バフェット氏が株主に向けた今年の「バフェットからの手紙」に興味深い記述がある。

 1975年当時の米国の産出量は800万バレル(1日当たり石油換算バレル)しかなく、その対策のため米国政府はSPR(戦略石油備蓄)を創設した。だが、その後も状況は芳しくなく、2007年までに500万バレルまで落ち込む。

 それを救ったのが、「シェール革命」である。これによって、米国の原油(エネルギー)海外依存が解消された。そして現在の産出量は1300万バレルを超え、「原油輸出国」になっている。

 だがバフェットは、かつて「米国(経済)が輸入原油に頼っていた時代を忘れるべきではない」と説く。大事なのは数十年後も「米国経済にとって原油(天然ガス)が必要不可欠」だと考えていることである。

 バフェットがコカ・コーラへの投資について語るとき、「30年後も人々はコカ・コーラを飲んでいるであろう」というフレーズをよく使う。同じように「米国(経済)は30年後も原油(化石燃料)を消費し続けているであろう」というのがバフェットの考えである。

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