延伸構想は万博2年前の昭和43年、箕面市が打ち出した。ただ、もともと北急は万博会場へのアクセスや千里ニュータウンの住民らの交通手段として想定されており、箕面市への延伸は計画されていなかった。
同市は働きかけを続け、平成元年に国の運輸政策審議会で「整備に着手することが適当」と位置付けられる。その後、財源などで協議は難航。同市は「新駅想定地に市営駐車場をつくるなどにぎわいづくりを進めた」と話す。
そして市や大阪府、北急などが26年に基本合意、29年に着工。北急総務部の佐伯博史調査役は「箕面市が受け入れ体制を整えてくれたことも大きかった」と話す。
新駅周辺では開発が活発化し、箕面船場阪大前駅には、令和3年に大阪大箕面キャンパスが開設。市内の別の場所から移転した。
また、計画中の新築マンションが完成した際には人口が3千人も増えるとみられる。最高額が3.2億円のタワーマンションも登場した。ここ数年「延伸バブル」が起きており、地価は上昇。2新駅に近い同市今宮4丁目は、昨年の公示地価で上昇率8.2%と府内住宅地トップになった。
箕面萱野駅では「みのおキューズモール」が延伸開業日に合わせて新施設をオープン。バスターミナルも開設され、千里中央とともに府北部のバス拠点となる。市は延伸区間で1日約4万5千人が利用し、年間の経済波及効果は約614億円と試算している。上島一彦市長は「人口減少時代に子育て世代を呼び込みたい」などと意気込む。
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