マイナビが“アルバイト中のイス”を開発、狙いは?

» 2024年04月04日 09時30分 公開
[堀内ひろITmedia]

 アルバイト情報サイトを運営するマイナビ(東京都千代田区)は3月下旬から、「座ってイイッス PROJECT」を開始している。アルバイト中の“立ちっぱなし”問題の解決を目指し、座れるアルバイトを増やすことで、従業員・雇用主双方にとっての快適な環境を整備していくというもの。

photo 座ってイイッス PROJECT(出典:マイナビ、以下同)

 プロジェクトの立ち上げ前に実施した調査によると、座っての接客が許されているアルバイトは23.3%にとどまり、アルバイトの32.2%がネガティブな方面に「業務に影響が出ている」と回答した。

 一方、雇用主がイスに座って接客をしても「いいと思っている」割合は73.3%に達した。許可しない理由については25.6%が「なんとなく」と回答するなど、理由なくアルバイト業務が“立ちっぱなし”になっている実態がうかがえた。

 また、自身がお客の場合、イスに座って接客をされることについて聞いた。8割近くが「気にならない、問題はない」と回答しており、座っての接客を受け入れる人が多いことも分かった。さらに、雇用主の19.7%は「接客中の立ち仕事からくる肉体的な要因」によるアルバイトの退職を経験しているという。

 マイナビでは「座っての接客で『就労意欲が上がる』アルバイトは半数以上という結果から、雇用確保の面からも、“立ちっぱなし”問題の解消が必要と言える」とコメントした。

photo パート・アルバイトが「接客中」にイスに座っても良いと思ったことはありますか

 同社は座ってイイッス PROJECTの開始にあたって、アルバイト中の使いやすさを重視した「マイナビバイトチェア」を独自に開発。プロジェクトに賛同する企業に一部無償配布していて、3月28日から試験的に導入している。イス設置による働き手の身体的・心理的問題の調査を行い、導入企業にフィードバックしていく。

 「今後は導入企業と改善策をともに検討することで、業務中に座れる選択肢を持つ企業を増やしていきたい」(マイナビ)としている。

マイナビバイトチェア

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