これを踏まえた上で、最近のニュースを見ていただきたい。ロイター通信によれば、4月27日に「韓国外務省は声明で『韓国政府は、わが国企業(山田注:ネイバーのこと)に対する差別的措置はあってはならないという立場を堅持している。この件に関してネイバーの立場を確認し、必要であれば日本側と連絡を取る』と述べた」と報じている。
事の発端は、LINEが2023年11月、韓国でネイバーがサイバー攻撃を受け、そこから日本人LINEユーザーなど51万人分の個人情報が漏洩(ろうえい)したと発表したことだ。これを受けて、日本の総務省が今年3月と4月、2度にわたり行政指導を行った。総務省関係者は「今回の漏洩事件では、事の深刻さを踏まえて、実質的な親会社であるソフトバンクの孫正義氏に、初めて真剣に対応するように伝えている」と語る。
総務省はさらに、LINE側に資本関係の見直しを求めているという。韓国のネイバー関係者は筆者に「ネイバーでは、日本政府から保有する株式の売却を求められたことを深刻に捉えている。なぜならネイバーのビジネスはLINEが支えているからだ。LINEを手放したら企業として成り立たない」と語っている。
そこに韓国政府が登場した。ネイバーにLINEヤフーの株を売却しろというのは差別であり容認できないと、この話に絡んできている。
ただ日本人としては、日本の法律が適用されない韓国で日本の通信インフラが操作され、日本人のデータ漏洩を繰り返していることは、決して看過できない。
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