苦戦するはなまるうどんに対し、丸亀製麺は好調だ。国内の丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスの決算資料によると、2020年3月期から2024年3月期の業績は次の通りである。
売上高:約956億円→約809億円→約921億円→1021億円→約1148億円
セグメント利益:約138億円→約23億円→約105億円→約116億円→約183億円
店舗数:845→855→832→833→840
2021年3月期は売り上げが大幅に減少したものの翌年度にはすぐ持ち直し、2023年3月期はコロナ禍前の水準まで回復した。この間、店舗数はほぼ変わっていない。
コロナ禍で好調を維持した背景にはロードサイド型立地という特徴がある。丸亀製麺は都市圏の駅前にも店舗を構えているものの、立地の主体はロードサイドだ。コロナ禍では都市部の飲食店が打撃を受けた一方、休日の人流が郊外に流れたこともあり、郊外型チェーンの業績はすぐに回復した。
素早いテークアウト対応も業績回復に貢献した。ロードサイド店を中心にテークアウト専用窓口を整備し、2021年4月に持ち帰り専用メニューとして発売した「丸亀うどん弁当」は約1年で2000万食を達成するなど、大ヒット商品となった。
2023年5月に発売した「丸亀シェイクうどん」も話題を呼び、近年のテークアウト比率は10%台を推移している。依然として主な客層はイートインだが、テークアウト施策はCMのほかメディアでも頻繁に取り上げられたことから、宣伝効果を発揮したと推測される。
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焼き鳥からうどんへ“華麗”にシフト トリドールが戦略転換できたワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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