ミニストップが苦戦し始めたのは、市場規模が拡大していたとはいえ、業界全体の店舗数が頭打ちとなった期間である。年々増え続けていた国内コンビニの総店舗数は2013年に5万店を突破したものの、ここ5年ほどは5万6000店辺りで横ばいが続く。「量」ではなく、1店舗ごとの「質」が求められる時代において、ミニストップは苦戦したといえる。
競合の動きを見ると、業界トップのセブンはPB(プライベートブランド)商品を磨き上げ、食品や飲料で消費者から高評価を受けるようになった。ファミリーマートも独自のPB「FamilyMart collection」を2012年から投入し、2018年は総菜に力を入れた「お母さん食堂」も投入した(現在はいずれも「ファミマル」に統一)。ローソンも時代の変化に合わせ、日配食品や総菜販売の強化を進めてきた経緯がある。
一方のミニストップも、親会社であるイオンのPB「トップバリュ」のほか、独自のPB商品も販売しているが、店内で作るファストフードの印象が強い。その強みを訴求できず、目的買い意識の高まりや効率化の流れに対応できなかったとみられる。直近のミニストップの客単価は約650円で、700〜800円台のセブン、ローソンと比較しても低く、日販が上位3社水準よりも一段と低い要因の一つとなっている。
ミニストップに関してはそもそも立地が悪いという意見も聞かれる。都内の駅周辺では、他社が駅前に進出しているものの、ミニストップは繁華街の外れや住宅街に出店することが多い。日販が低いため家賃が払えないのだろう。「日販が低いため駅前に出店できない」→「目につくような場所になく、宣伝効果が薄い」→「客が寄らず、日販が低くなる」という負のループに陥っていた可能性も考えられる。
ミニストップ「おにぎり100円」がもたらした“意外な変化”
ミニストップ「おにぎり100円」終了の衝撃 あえて具材増量に踏み切ったワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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