ミニストップが好評だった「おにぎり100円」(税込108円)をやめた。
原材料費やエネルギー価格、アルバイトの人件費高騰などが背景にあるのは容易に想像がつくが、他のコンビニと明確に差別化されたストロングポイントだっただけに、残念な感がある。
また、弁当の分野でやはり好評だった「駅弁風弁当」、有名シェフ鳥羽周作氏とコラボした「タレ弁」といった、競合他社では出していないユニークな企画も姿を消している。
ミニストップは直近5年連続で最終赤字に陥っていた。コロナ前の2018年2月期は約9億6000万円、19年2月期は約9億2000万円、20年2月期は約57億円とさらに膨らんだ。21年2月期は約64億6000万円、22年2月期は約38億7000万円だった。19年以降に実施したおにぎり100円、弁当改革によって、業績が向上したとは言い難かった。
もちろん、同社もおにぎりや弁当だけ売っているのではなく、他にも多くの商品を扱っている。チルドや冷凍食品の総菜開発が競合他社より遅れていて、そこで差がついた感がある。おにぎり、弁当の看板商品がなくなってもそれほどの影響は受けていないという実情がある。
おにぎり100円が終了したのは22年9月だ。
22年9月〜23年2月におけるミニストップの月次既存店売上高(%、前年同月比)は、98.2→102.8→101.8→99.1→98.7→99.4。
一方、22年3〜8月の既存店売上高(同)は、100.4→98.6→99.1→98.6→99.2→99.6。
おにぎり100円をやろうが、やるまいが、あまり関係ないようだ。では、おにぎり100円をやめた意義はどこにあったのだろうか。
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