ミニストップ「おにぎり100円」終了の衝撃 あえて具材増量に踏み切ったワケ長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)

» 2023年04月05日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

コロナで激変

 このように良いことばかりだったおにぎり100円だったが、コロナ禍に入って顧客のニーズが変わり、実情と合わなくなったという。

 非接触が求められて、運動会やお祭が開催されなかったというのもあるだろう。しかし、同社によれば、それでおにぎり100円をやめたのではない。

おにぎりの新ブランド、おにうま!
おにうま!では、有明海産海苔使用や国産米使用をアピール

 「もっと良いもの食べたいと、消費者は考えていました。従来よりもおいしい海苔を使い、具材も増量して、値段相応の価値を提供しようと値上げしました」(ミニストップ広報)。

 もちろん、原材料、配送費などのコスト高も背景にあっただろう。それで単純に値上げをするのでなく、それに見合った付加価値を付けたともいえる。

 ミニストップでは、22年9月26日の週からおにぎりの新ブランド「おにうま!」を立ち上げた。ミシュランガイドで一つ星を獲得した、東京・代々木上原「sio」オーナーシェフ鳥羽周作氏による監修の「手巻 漬けだれで味わうネギトロ」(151円)、「手巻 万能だれで味わう牛焼肉」(162円)の2品を発売。

「手巻 漬けだれで味わうネギトロ」(151円、出所:プレスリリース)
「手巻 万能だれで味わう牛焼肉」(162円、出所:プレスリリース)

 その他のおにぎりもリニューアルをして、新価格で順次販売するように切り替えていった。現状ボリュームゾーンは130〜140円となっている。

 以前から販売していた酢飯のすしおにぎりや、海苔を巻かない丸のままのおにぎりなども含めて、多彩なバリエーションでおにぎりの魅力を伝えたいとのことだ。

おにうま!には、海苔を巻かない商品もある
酢飯を使った手巻き寿司風の商品

 「値上げをして、おにぎりの販売数は若干落ちましたが、想定内」(ミニストップ広報)。とはいえ値上げを気にしているのか、3月31日から4月6日まで、「紀州南高梅」「北海道産昆布」「ツナマヨ」の3商品は、期間限定で本体価格100円セールを行っている。

 さらに、従来より好評だった店内加工のおにぎりにも、より一層力を入れていくという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.