「ママがいい」などといった父親をおとしめる文言は、確かにそれだけ取り出して見るとギョッとする人もいるだろう。また、「ママがいい」とプリントされた服を着た子どもを保育園に預けたら、バカにされたのかと不快に思う保育士もいるかもしれない。
しかし、人を卑しめたかどうかは見解が分かれるだろう。こういった文言は法律に違反しているわけでなく、誰かが不快な思いをするという気分の問題だ。道徳や倫理の観点からも、非難されるべきものかどうか微妙なラインではないだろうか。
「常識的に考えて売るのがおかしい」という主張もあるが、価値観は多様化していて、男性が子育てに参加するのが常識と考える人もいれば、女性が担当するのが常識と考える人もいる。
また、父親が仕事で疲れ果てているために、休日に家でダラダラと寝転がっており、「パパが構ってくれなくてつまらない」と感じる子どもが多いのも事実だ。最近はキャリア志向でなくても家計を支えるために、母親も働くケースが増えている。それにもかかわらず、育児や家事の負担が母親にばかりかかっている家庭も多いと聞く。母親からすれば「あなた、少しは子どもを構ってあげてよ」と、文句の一つも言いたくなる。
こうしてみると、加賀美氏の表現はスタンスによって肯定的にも否定的にも読める。
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