セブン「宅配ピザ」参入の衝撃 テスト販売から一気に拡大も納得の理由(1/3 ページ)

» 2024年08月26日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

 コンビニ最大手のセブン-イレブンが、店内で焼いたピザを宅配するサービスに参入すると発表しました。今回はセブンが参入するピザ市場の状況や、セブンに先行してピザに力を入れている企業に注目し、今後の可能性について考えていきます。

 消費トレンドを追いかけ、小売り・サービス業のコンサルティングを30年以上にわたり続けているムガマエ代表の岩崎剛幸が分析していきます。

なぜセブンは宅配ピザを開始したのか(出所:ゲッティイメージズ)

限定店舗のテスト販売から一気に拡大へ 配達スピードが大きな売り

 「ピザ」と聞くと何だかワクワクするのは筆者だけでしょうか。ピザを食べるのは、みんなで集まってパーティーをしたり、スポーツ観戦をしたりと特別なシチュエーションが多いように感じます。

 また、フードデリバリーで人気なのもピザの特徴です。WebマーケティングのSTSデジタルと日本唐揚協会が実施した調査では、利用したことのあるデリバリーサービスとして「宅配ピザ」が59%で1位という結果でした。

 このピザに目を付けたのがセブンです。セブンは店内で焼いたピザを最短20分で自宅に届けるサービスを一部で始めています。7月に東京や神奈川の30店舗でテストし、好調だったことを受けて8月中に全国200店舗へ拡大すると発表しています。

 なお、販売するのはマルゲリータ(780円)と照り焼きチキン(880円)のみ。注文が入ると冷凍ピザを店内のオーブンで焼いて届けるという流れで、持ち帰りも可能です。

 セブンが開始した宅配ピザサービスにおける最大の売りは、注文から20分で届けるというタイムパフォーマンス(タイパ)の高さでしょう。アイテム数でいえば大手宅配ピザチェーンに大きく劣後します。つまり、単にピザだけを購入したい人にとっては大手宅配ピザチェーンを選ぶのが自然でしょう。しかし、こうした宅配ピザチェーンは基本的に、注文から30分程度が配達スピードの目安です。セブンはそれよりも10分速く、これは注文時のアドバンテージになります。

 注文できる商品が「ピザだけではない」のもポイントです。宅配ピザチェーンでは、ピザとドリンク、サイドメニュー程度しか注文できませんが、セブンであれば、コンビニならではの3000アイテム以上の商品も一緒に配達してもらえるのです。単にピザだけでいえば、宅配ピザチェーンが10倍以上のアイテム数をそろえているものの、ピザ以外も含めるとセブンの品ぞろえは100倍以上ともいえ、圧倒的な利便性の差となります。

 つまり、セブンは「宅配ピザ店」になりたいわけではなく、ピザをきっかけに、さまざまな商品を購入してもらいたいのです。つまり、いかに店内だけでなく店外での購入を増やすかが、宅配ピザ参入の狙いではないでしょうか。

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