突然だが、魚肉ソーセージと聞くと皆さんはどんなイメージを抱くだろうか。
「酒のつまみ」「小腹が減った時のおやつ」「どんな料理にも合う手軽な食材」など、さまざまな反応が出てくるだろうが、「懐かしい、昔はよく食べたな」という人も多いのではないか。
もちろん、今でも好きな人が多いと思うが、全盛期を知る世代からすればやはり「昭和の人気商品」という印象が強い。1985年に粗びき豚肉100%使用の本格的なウインナーソーセージ「シャウエッセン」が日本ハムから発売され、さまざまなウインナーが流通するようになると、徐々に不動の人気にかげりが見えてくる。
魚肉ソーセージメーカーが加盟する日本缶詰びん詰レトルト食品協会によれば、魚肉ハム・ソーセージの生産量は1972年の約18万トン台をピークに減少。2023年の生産量は前年比9%減の4万5815トン。半世紀で4分の1の規模にまで縮小しているのだ。
これまで世に多くの魚肉ソーセージを送り出してきたマルハニチロの加工食品ユニットチルド食品事業部すりみ食品課の福田憲滋副部長もこう述べる。
「弊社のチルド食品事業部は、魚肉ハムソーセージとちくわ、カップゼリーという3つのカテゴリーを扱っていますが、私が入社した1995年は魚肉ハムソーセージだけの事業部で人員も今よりかなり多かったですね。しかも当時はシェアも断トツだったので、まさしくわが社の大黒柱でした」
ただ、そんな「昭和のスター」だった魚肉ソーセージが、ここにきて「再ブレーク」の兆しが見えている。
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