東京商工リサーチ(東京都千代田区)が行った「代表者の年代別財務分析」によると、代表者が高齢になるほど企業の業績は悪化する傾向が強いことが分かった。2023年度の黒字企業率1位は、代表者が「40歳代」の78.7%だった。
次いで「40歳未満」が78.2%、「50歳代」が77.6%と「60歳未満」が上位を占めた。一方、「70歳代」は72.7%、「80歳以上」では68.8%と唯一7割を下回り、代表者の年齢が高くなるほど、黒字企業率は低下傾向にあることがうかがえた。
コロナ禍だった2020年度から黒字企業率の推移をたどると、60歳代以下では回復傾向にあり、2023年度の黒字企業率はコロナ禍に突入した2020年度を上回った。一方、70歳代、80歳以上は、2021年度にいったん回復したが、以降は悪化し2023年度の黒字企業率は2020年度を下回った。
資本金別でみると、「資本金1億円以上」では、80歳以上の黒字企業率が90.5%で1位となり、年齢が高いほど黒字企業率も高い傾向がみられた。一方、「資本金1千万円以上1億円未満」は40歳代の81.6%、「1千万円未満・個人企業他」では40歳未満の72.2%がそれぞれ1位となった。中小・零細企業では代表者の年齢が若いほど黒字企業率が高く、大企業とは対照的だった。
40歳未満の黒字企業率が最大だった産業は、最多が「不動産業」で84.1%、次いで「運輸業」が82.4%、「サービス業他」が76.8%だった。40歳代では、最多が「建設業」で76.3%、次いで「卸売業」が84.3%、「小売業」が75.7%だった。
10産業のうち6産業で、代表者が比較的若い「50歳未満」で黒字企業率が最多となった。一方、「80歳以上」の黒字企業率が最多だったのは「金融・保険業」の81.8%のみで、 「70歳代」はなかった。代表者の年齢が高いほど黒字企業率が低下する産業が多い中、「金融・保険業」「情報通信業」は代表者が若い企業で黒字企業率が低く、「70歳代」「80歳以上」の黒字企業率が高かった。
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