カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長/ポートフォリオ・マネージャー
草刈 貴弘
大学卒業後、舞台役者などを経て2007年にSBIリアルマーケティングに入社。2008年にさわかみ投信に転じ、顧客対応部門、バックオフィスの責任者、アナリスト、ファンドマネージャーを経験し、2013年に最高投資責任者、運用調査部長、2015年取締役最高投資責任者に就任。2023年3月に現職のカタリスト投資顧問に入社し、同年6月に取締役共同社長に就任。
投資先企業の企業価値向上に直接寄与することで、日本企業の成長と資本市場の活性化と、個人投資家の財産づくりを両立することを志向する。ファンダメンタル分析を基にしたバリュー投資を軸に、持続的成長の転換点を探るのをモットーとする。現在、朝日インテック社外取締役。東洋大学理工学部卒。
小売り大手のセブン&アイ・ホールディングス(以下セブン&アイ)が、カナダに本社があり世界各国でコンビニやガソリンスタンドなどを手がけるアリマンタシォン・クシュタール(以下ACT)からの買収提案を受けました。
日本国内では「ほかの有名企業もターゲットになりうるのか」「日本政府からNOを言えるようにするべき」といったように、多くの方々が買収に対して一種のアレルギー反応を示したように感じました。今回の買収提案とは関係ないとコメントしていますが、セブン&アイはこれまでしてこなかったコア業種への変更を、今年の6月以降に財務省からの照会を受けて行いました。変更の理由は開示されていないので真相は分かりませんが、防衛本能のように感じてしまったのは私だけではないでしょう。
確かに日本を代表する小売り最大手の一角が買収対象になるということは、私自身も驚きを隠せませんでした。しかし同時に、この買収提案はACTにとって非常に合理的であり、日本企業が今後自らの価値を考える上でのきっかけにすべきだとも感じました。
今回はそのように考えた理由を、セブン&アイとACTの財務諸表の各項目を見比べながら解説します。
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