スノーピークは株主に配慮していたのか MBO発表と上場廃止のタイミングに「疑問」あり(1/7 ページ)

» 2024年08月13日 08時00分 公開
[草刈貴弘ITmedia]

 スノーピーク(新潟県三条市)が2024年2月にMBO(経営陣による企業買収)を発表し、7月9日に東京証券取引所プライム市場において上場廃止となりました。2015年に上場し、コロナ禍のキャンプブームなどを受けて一気に業績を伸ばしたものの、2022年以降はかげりが見え始め、最終的に株式を非公開化する結果になっています。

 キャンプをしない人にすら認知されているのではないかと思えるほど、近年急速に知名度を上げ、ファンも多いスノーピーク。だからこそ、今回のMBOについて、私自身「もっと少数株主と対話すべきだったのでは」と、何となく「もやっと」する気持ちを抑えられませんでした。

温浴施設も併設している「Snow Peak Long Beach Campfield」(出典:スノーピーク、以下同)
米国初となる直営キャンプフィールド「Snow Peak Long Beach Campfield」

 今回は、2021年から2023年の決算説明資料などをもとにスノーピークの業績の向上・低迷について改めて振り返ります。そして2024年2月に発表された意見表明報告書から、MBOを探り始めたタイミングや、その時期のスノーピークの対応がどのようなものだったのかを見つつ、あらためてMBOの是非について考察したいと思います。

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