スノーピークは株主に配慮していたのか MBO発表と上場廃止のタイミングに「疑問」あり(2/7 ページ)

» 2024年08月13日 08時00分 公開
[草刈貴弘ITmedia]

キャンプブームによる追い風

 2021年は新型コロナウイルスのワクチンが普及し始め、ワクチンを接種した人たちが徐々に外に出始めた時期でした。このころ、「密閉・密接・密集」の3密を避けるための屋外アクティビティーとしてキャンプが注目され、キャンプブームが起きました。

 こうしたキャンプブームによる追い風は、2021年の決算に現れています。売上高は対前年比で50%成長、営業利益も前年比155%増と好調でした。

「2021年12月期 決算説明資料および中期経営計画について」より

 一般的にキャンプ用品は春と夏に売れて、秋と冬に売り上げが落ちるとされています。しかし2021年は、秋と冬にもキャンプ用品が売れるほどのブームで、業界全体が好調でした。こうした世の中の流れもあり、「企業として成長し、もうかった」のが2021年でした。

 業績好調を受け、このタイミングで発表された2022年から2024年の中期経営計画は、まさに「いけいけどんどん」という印象でした。2021年に250億円ほどだった売上高を、2024年までに国内と海外あわせて約500億円にし、今後さらに積極的に海外展開していく方針を示すなど、かなり強気の計画を発表していました。

「2021年12月期 決算説明資料および中期経営計画について」より

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