日本マクドナルド(以下、マクドナルド)の業績が好調だ。国内の店舗数は大きく増えていないものの、全店売上高を表すSWS(システムワイドセールス)が伸び続けている。コロナ禍との相性が良いロードサイド店舗かつテークアウト業態という点が奏功し、コロナの影響が収まった今期も依然として好調が続く。
ソフト面に着目すると、マクドナルドでは業界に先駆けてDXを推進し、商品構成では食事以外のカフェ需要も取り込んできた。換言すれば、ストレスを低減させる店舗運営、そして全時間帯で客を取り込もうとする施策が好調につながったと考えられる。
2019年12月期から2023年12月期におけるマクドナルドの業績は次の通りだ。直営とフランチャイズ(FC)を含めた全店舗数はそこまで変わっていないが、全店売上高のSWS、そして企業としての業績が伸び続けていることが分かる。
SWS:5490億円→5892億円→6520億円→7175億円→7777億円
売上高:2817億円→2883億円→3176億円→3523億円→3819億円
営業利益:280億円→312億円→345億円→338億円→408億円
全店舗数:2910→2924→2942→2967→2982
コロナ禍での好調は他の飲食業態に比べてロードサイド店舗が多いこと、そしてかつてよりテークアウトやドライブスルーの比率が高かったことに起因する。具体的な数字は公表していないが、決算資料で公開したグラフから判断するに、売り上げに占めるイートイン比率は3割もない。
コロナ要因が収まった近年でも好調が続いており、今期も第2四半期段階で全社売上高は前年比10%増となっている。相次いで値上げを実施したが客数も減少せず、収益の改善につながった。好調の背景には地道に行ってきた施策が影響していると考えられる。
なぜマックで“客への反撃”が増えているのか いまだ続ける「スマイル0円」との関係
マクドナルド、クルーの髪色自由化 採用人数が増加する効果もCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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